第225話 えびえびしすたーず「追放系職員室1」

「先輩。御昼休みが終わったら、何故か職員室の生体認証が通らなくて入室できなくなったのですが?」

「後輩。昨日と今朝、教頭先生から職員室の警備システムのセキュリティ関係のアップデートがあるから、明日の朝までは職員室に入室できなくなると注意されていたじゃない」

「先輩、覚えていませんよ。それより、財布からスマートフォンまで、職員室の私の机の鍵付きの引き出しの中に、施錠したまま入れっぱなしなのですが!?」

「知らないわよ。もしかして、自宅の鍵まで職員室に置きっぱなしなの?」

「先輩、そのもしかしてで、施錠した引き出しの中です!」

「後輩、それじゃ自宅に帰っても家の中に入れないじゃない……」

「先輩、お金もスマートフォンも無くてどうしましょう!?」

「……後輩って、幽霊とか平気?」

「先輩、いきなり何を言うのですか!?」

「このお嬢様学校にも宿直室があるのだけど、昔から幽霊出るとかで、誰も使っていないのよ」

「まさか先輩……。私に、自宅に帰れない代わりに、幽霊が出ると噂のある宿直室に泊まれと言うのですか!?」

「仕方ないじゃない。財布もスマートフォンも身分証明書も持っていないのなら、現金だってクレジットカードだってキャッシュカードだってスマートフォンを使った決済サービスも使えないのだから」

「先輩の家に泊めさせてくださいよ!」

「今夜は、ちょっと合コンの予定があるから無理なのよね」


続く!

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