第97話 えびえびしすたーず「それはそれは遠いところ」

「お姉ちゃん。お父さんとお母さんから荷物届いたよ」

「今回はどこから届いたの?」

「うーん、お姉ちゃん。ここって太平洋のど真ん中?」

「ようやく日本に近づいてきたのかな?」

「この前は南極近くだったものね」

「我が妹よ。荷物の中身は何?」

「ごみを分別して処分してだって、お姉ちゃん」

「しかしお父さんやお母さんの動画を見て後援している人たちって、何を期待しているのかわからないわ」

「あたらしい生物とか古代文明の遺跡の発見?」

「我が妹よ。正直、私たちの方がお父さんやお母さんより波乱万丈な生き方していない?」

「冒険家のお父さんやお母さんより冒険しているものね」

「我が妹よ。私たちの動画を公表しても人工知能が作った偽物の動画と評価されるのが残念だわ」

「その代わり普通の女子高生として日常生活できるから幸せだよ」

「……問題は、二年三組の生徒から担任に始まって、お嬢様学校の関係者のほとんどが普通じゃないのよね……」

「お姉ちゃん。私は楽しいから嬉しいよ」

「……我が妹よ。たくましく育ったのね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る