1.6

第60話 えびえびしすたーず「暑苦しい人」

「この俺がこの街を守る!!」

えびえび姉妹が通うお嬢様学校で有名な街には濃い人が多かった。

彼のような暑苦しい人は……。

やっぱり多かった。

「この街を脅かす悪は、俺が倒す!!」

たった一人で交差点のど真ん中でポーズを決めながら叫んで、交通渋滞の原因となっていれば結果は明らかである。

「捕まえるのは俺じゃない!!」

交通渋滞で困っていた人たちの拍手喝さいの中、警官たちに連行されていく暑苦しい人は、この街での日常だった。


「お姉ちゃん。暑苦しい人が渋滞起こしていたから一限目自習だって」

「先生遅刻したの?」

「警備会社の人が遅刻して、警備用のロボットの設定が間に合わないだって」

「生体認証の設定に先生たち立ち会わなきゃいけないのね」

「それで先生から午後には生徒の生体認証の登録するから呼ばれたら来てだって」

「なら一緒に行こう。我が妹よ」

「了解でーす。我がお姉ちゃん」

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