第1話 東京駅18時
────まもなく時刻は、18時。
やっとうだるような猛暑の時が通り過ぎた頃である。季節といえば、遠くに哀愁漂う秋が控えていた。
俺の名前は
都心の狭間にある池袋の街の学生である。
「晴天を
東京駅は次から次へと列車ホームが続く。1番・2番・3番………。
出発まであと3分しかない。急ぐのだ。
この駅舎にはバブルがはじけた世の中というのに、都会の喧騒を感じさせない、一世紀以上の歴史を誇り、一泊10万円以上のオアシスが潜んでいると耳にする。外観は駅と同じ雰囲気だが、中に入ると廊下まで大理石のホテルと噂が飛んでいる。
そんな戯言は、夢のような話だ。
仕送りとバイト代に頼る自分には縁がない。
今夜は学友との飲み会を早めに切り上げ、好みの駅弁、缶ビールを手にすると、10番線ホームへと急いでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます