食べ物の恨み
ホカホカの肉まん。
「ねー、肉まんのまわりのパンはなんでこん
なにふわふわのモチモチなんだろーね」
幸せそうな優依。
「んー、このモチモチ感は優依のほっぺとか
わらないよ?」
と言いながらオレは優依のほっぺをプニプ
ニとさせた。
「おいこら、気安く触らないで」
と優依に手をぱしっと払われた。
…
布団に入ろうとするくせにほっぺは、お触
りなし。
…わけわかんねーよ。
と思ってたら、いきなり優依が
「クリスマス…」
と言い出した。
⁉︎
きた…。
ついにきた…。
クリスマスなんで抱きしめたの…って言わ
れる。
そう思ってたら優依は、
「クリスマスケーキ食べたい」
と言い出した。
ブハァ
オレは思わずジュースを吹いた。
「優依ー…、どんだけ食いしん坊だよ」
「えー、だってふと食べたくなってさー」
…
「そっか。ならクリスマスだいぶ先だし、ケ
ーキもついでに買ってくか」
「うん!」
で、ケーキを購入しに向かった。
「半額かな?」
「えっ?」
「高校の時、カップル半額だよってケーキ屋
さんに言われたの覚えてる?」
「あー」
「でさ、オレたちカップルじゃありませんっ
て和希言ったじゃん」
「あー…うん。」
「なんで?なんであの時カップルじゃないっ
て言ったの⁈そんなにわたしとカップルっ
て思われるの嫌だった?」
「えと…そういうわけじゃ」
「なら、あの時カップルって言えばよかった
じゃん。」
「うん。そうだよな。ごめん…」
…優依もしかしてあの時、傷ついたのかな。
カップルじゃないって否定して…
と思ってたら、
「今日半額じゃなかったら、和希のおごりね。
せっかく半額でゲットできたのにー」
と言い出した。
食べ物の恨みは怖いって言うけど…
すげー執着心だった…
もしかして、半額を断ったからあの後ずっ
と無言だったのかな⁉︎
オレが抱きしめたことなんて優依覚えてな
いんじゃね⁈
あー、なんかそれならそれでよかったー。
優依が食いしん坊でよかった〜と晴れ晴れ
した気持ちで歩いていた。
ケーキ屋さんに行くとやっぱり半額じゃな
かった。
「半額ってすごいよねー。あの言葉は、もう
魔法にかかったのかってくらい手が無意識
にでるよね」
「あー、たしかに」
「だから、あの時わたしを抱きしめたの?」
えっ…。
なんか半額からの流れからサラッと言われ
た…。
えと…。
続く。
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