学園祭

 オレは陵からの誘いを受けて奈美さんに相

 談した。

 

 奈美さんも優依から誘われているみたいな

 ので二人で学園祭に行ってみようとなった。

 

 久々に優依と陵が並んでいるところをみる

 のが怖いオレ…

 

 なぜだ…

 もう二人が付き合ってだいぶ経つのに…

 

 オレは一体いつになったら二人を認められ

 るのだろうか…。

 

 …

 

「あ、優依ちゃんと陵のクラスここじゃない

 かな?」

「あ、ホントだ」

 奈美さんの言葉で我に返った。

 

「おー、和希ー。奈美ー」

 と陵。

「あー‼︎二人ともー‼︎」

 と元気に駆け寄る優依。

 

「久しぶり」

 と陵が奈美さんに声をかけた。

「うん。家隣なのに全然あわないね」

 と奈美さんは、返していた。

 

 はたからみるとお似合いカップルみたいだ。

 

「どうしたの?和希。奈美が陵くんと話して

 るからやきもち妬いてんの?」

「バカ、ちげーよ。ってか優依昔からたくさ

 ん食ってるくせにちーせな」

 と、優依の髪をクシャクシャにしてやった。

 

 …柔らかい髪。

 しかもいい匂いしたな。

 

 …

 オレ変態だな。

 

 …

 

「で、アートラテ飲んでく?」

 クシャクシャの髪をなおしながら優依が言

 った。

「飲んでくよね?」

 奈美さんに聞くと

「うん!飲みたい」

 と返事してくれたので席へと案内してもら

 った。

 

 で、出てきたラテは…

 

 奈美さんのは、犬だよな。

 

 で、オレのって…

 

「優依ー、オレのってオオカミ?ろば?」

「違うよー‼︎猫だしー」

「は?コレが⁈」

「そうだよ。頑張ったんだよ‼︎」

「へー」

 

「あはは、優依ちゃん頑張って描いてたから

 飲んであげてよ、和希。味は保証する」

「あー、わかった」

 ズズズ〜。

「あー、たしかに味は、味はうまい」

「んもー、そこ強調するな」

 と優依に言われてみんなで笑った。

 

 奈美さんのは、きっと陵が描いたんだろう

 な。

 陵絵うまかったし。

 

 …

 

 奈美さんは、嬉しそうにラテの写真を撮っ

 ていた。

 

 ほんとは奈美さん、陵ともっと話したいん

 じゃないのかな…。

 って思うのはオレだけなんだろうか…

 

 …

 

 たまにふと気づくと奈美さんは、陵を目で

 追っている気がした。

 

 気のせい?

 かな⁇

 

 …

 

 

 続く。

 

 

 

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