こじれの始まり

 陵なんの話だろう…。

 

 大体想像は、つくんだよなー…。

 

 多分優依の事。

 

 

「あっ、ワリーな。」

 陵がやってきた。

 爽やかな登場して来やがって…

 

 オレは

「おー、大丈夫」

 と言った。

 

 ほんとうは、大丈夫じゃない。

 心臓バクバク。

 なんなら、吐きそうだぞ。

 

 小学生の時の笛のテストの時くらい緊張し

 てるぞ。

 手に汗までかいている。

 

 …

 

「あのさ、」

 

 きた…

 ついにこの時が…

 

「あー、ん?」

 

「…あのー、優依ちゃんの事なんだけど…」

 

 やっぱり。

 

「うん、優依がどうかした?」

「和希はさ、優依ちゃんの事どう思ってるの

 かなーと思ってさ」

「優依は、幼馴染。それ以上もこれ以上もな

 いよ」

「あー…、そっか。オレさ…、奈美のことは

 オレも大切な幼馴染だからずっと幼馴染の

 ままでいようと思うんだ」

「うん。オレも優依と幼馴染のままいようと

 思ってる」

「なら、ならさ、オレ優依ちゃんと付き合っ

 てもいい?」

 

 …

 

「おー、いいに決まってんだろ。オレはただ

 の幼馴染なんだし。」

「そっか。ならよかった」

「おう!優依を任せた‼︎」

「…オレも奈美をお願いしたい」

「あー、うん」

 

 …

 

「ってか、オレたち優依の家族でもなんでも

 ないんだけどな」

「あ、だよなぁー…、何言っちゃってんだろ。

 オレたちなー」

「なー」

 

 と、笑い合った。

 

 顔は笑ってたけど、心はドロドロだった。

 

 

 そんな話をした数日後

 

 オレと奈美さんは、日直で放課後二人で日

 誌を書いていた。

 

「なんか誰もいない放課後っていいよね」

「あー、落ち着く」

「たしかにねー。二人きりなんだね。なんか

 わたし達ってすごいよね」

「うん。なんか運命感じる」

「それ、わたしも思った。運命だよね!もう

 付き合っちゃおっかー」

 と奈美さんは、冗談を言った。

 

「うん。付き合おう」

「えっ、冗談だよー」

「オレは、本気」

「え…」

 

 奈美さんは、しばらく黙ってそのあと

「うん。付き合おう」

 と言ってくれた。

 

「じゃあ、よろしく」

「うん。こちらこそ」

 と挨拶を交わした。

 

 

 …

 

 アレ⁉︎

 こんなあっさり彼女できていいのか⁉︎

 

 ってか、奈美さんって好きな人いたんじゃ

 ね⁉︎

 いいの⁉︎

 

 よくよく冷静に考えてみると…

 ⁉︎だ。

 

 それにオレは初彼女だ。

 

 あんなにかわいい彼女ができたのに…

 なぜだ。

 

 ほんとうなら踊り出したいくらいのテンシ

 ョンなはず。

 

 なのに心のモヤモヤが半端ない…

 

 …

 

 オレはバカだなー。

 

 続く。

 

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