第7話 護送から晒し者
人は理解不能で荒唐無稽な話が怒涛の勢いで押し寄せてくると、呆気なく脳は思考を止める。俺は今日、それを思い知った。
それ以降は全部聞き流してしまった俺は部屋まで送られ、ベッドに寝かされた後暫くして無事に再起動を果たした。
おいおいおいおいおいおい⋯⋯なんだよ、ちょっ、マジなのかよ⋯⋯俺、知ってる日本に居ねぇ!! 男女比がぶっ壊れてる世界に居るじゃねぇか!!!
俺死んでねぇよな? 外出して飯食おうとしただけなんだけどっ!!!
美人看護師さんがあんなリアクションになったのはそういう事らしい。そうだよね⋯⋯俺のチ〇ポを見てあんなリアクションすんのは、現実世界じゃ有り得ねぇよな⋯⋯ハハッ。
⋯⋯⋯⋯ん? 待てよ?
この世界なら、俺はヒかれる事は、無い? 寧ろこの無駄にデカい釣竿で朝マズメもビックリな入れ食い状態になるって事でFA?
「希望が出てきたぜぇぇぇぇ!!!」
ふははははははは!!! 俺、素人童貞卒業出来る可能性出てきたぞ!!! もう最悪、拡張しすぎてヘビー級格闘家の拳が入るレベルのア〇ルプレイが出来る風俗行って卒業したと言い張ろうとを画策していた二週間前の俺!! 朗報やで!!
親父は純日本人で平均点サムライブレード。お袋も純日本人。親族も含めた大規模旅行で男親族全員の逸物を確認したけど、多少の大小の差はあれど模範的サムライブレードだった。
呪いを疑うよね。一生日本人の素人娘とおせっせ出来ない呪いを受けているって。子どもを産む時より辛かったって言われた俺はなんなんだろう。おせっせは拷問だったのか? 帰宅後にどうして生まれてきてしまったのだろうって嘆いたよね。
こんなに清々しい気持ちになるのは何時振りか。今日は気持ちよくゆっくり寝れそうだ⋯⋯
◆◆◆◆◆◆◆
はい、おはようございます。無我です。
人生最高レベルの気持ち良い睡眠から目覚めたら、何故かアイマスクヘッドホン猿轡手錠足枷の拉致五点セットをカマされて、多分何処かへ移送されている途中である。
着せられているのは多分バスローブ。こんな機会でも無ければ一生着る機会の無いであろうもふもふで気持ちよかったりする品。
ともあれ本当に何これ、本当にもうマジのガチで意味がわからない。
後ちょっとだけ血の臭いもするし。怖い。
女の人が何人か乗ってるのはわかる。多分だけど乗ってるのは五人。こっちは良い匂いがするからね。プロの素人童貞舐めんな。
この世界で俺が起きてる時に体験した事―――
・拉致監禁全裸磔
・お漏らし
・チングリ返し股間ケツフキフキ
・全身丸洗い
・世界情勢のお話
・ガチ拉致
皆様おわかり頂けただろうか、マジで碌な事をされてないんですよ。そのクセ、一発もヌいていない。
結果どうなるか? こんな状況でも勃つんですよ。日本の誇りマウントフジを彷彿とさせるレベルのイキり具合いさ。憎いぜ、恨むぜマイ童貞棒さん。
外の事は全く理解不能な状況だけど、ちょっとわかってしまう。全員が息を呑んで俺の懐刀に視線を注いでいるのを。誇らしいけど怖い。誰が助けてくれ。
希望してくれるのなら俺は漏れなく全員とヤるから! ヤれる地力はちゃんとあるから! ね? ね?
コレすっごくいい取引きだと思わない? 全員傷付く事なく幸せになれるから。ほら、解いてくれ!! どうかこの想い伝わってくれぇぇぇ!!
猿轡パイセンが無ければ⋯⋯今頃俺は童貞卒業しているのに、悔しい。悔し⋯⋯
「ンンッ!?」
そんな事を考えていたら急にゾクッときた。え!? 何これ!? 何が起きた?
そして急速に減る突き刺すような視線。そして感じる超お熱い視線。一体何が起きているのかなぁ⋯⋯怖ァ⋯⋯
◆◆◆◆◆◆◆
とうとうやって来た、デスゲーム当日。
私ことフォックスは完璧に拘束した上で護送している男のお世話&同じ世話係共のメンツの監視という名目で同行しながら男を舐め回すように見ている最中。嗚呼、とても忙しい。
そんな中、不意に男が覚醒した気配を出した。特殊な薬剤によって丸三日以上寝続けた男。予定では後数時間は寝ている筈なのに⋯⋯もう一回くらい下の世話出来た筈なのに⋯⋯悔しいなぁ。
次こそは全員昏倒させて、舐めて綺麗にしてあげる予定だったのに。もう目的地に着く。
ジュワッ⋯⋯
ヤれなかった事を残念に思いながらもその事を妄想していたらガッツリ濡れてしまった。それでも私は男を視姦するのを止めない。
私に続いて、他の
そろそろ慣れろよ、魔法使い予備軍処女共。その男は伝説の朝勃ちをするんだよ。
でもそれだけで収まらないのがその男の凄い所で厄介な所。朝勃ちだけではなく、全身から漂いだす濃ゆーい性の臭い。こんなんもう男性ファンタジーも真っ青な動くアダルトグッズだよ。事実は小説よりも奇なりって実感させられる。
多分このノンフィクションをそのまま書いて投稿サイトにぶん投げたら、一定の人気を確保しつつ処女拗らせすぎだって熱烈な叩きに遭うであろう。それくらいファンタジーさが突き抜けている。
っと、そろそろヤバいな。全員この男根力に気圧されて理性が飛びかけている。一応全員特殊な訓練を受けた
全く、伝説となっている男根力は53万ですってワードが霞んで見えるぜ。
「はい、そこまで」
伝説の童貞泥棒の如く、一瞬で服をパージしてクパァしながらチ〇ポへ飛び掛かる駄メイド共を打ち堕として気絶させていく。マジで監視させろってゴネてよかったわ。
私の為にあるこの童貞、絶対に死守してみせる。
そして優勝して勝ち取った暁には、この催しに群がるギャラリーの目の前で夢物語のように童貞と処女の交換をしてやるからな!!
私はヤると言ったらヤる女だ。お前らが散々竿役に見立てていた女が、男性ファンタジーよりもファンタジーな男の竿で真の女になる姿を目に焼き付けるがいいさ。
「そうだ、我慢だ、我慢。まだ、食べ頃じゃ、無い」
早く、会場に着いてくれ。いくら私が我慢強い女でも限界はあるんだから⋯⋯
この生殺し状態で溜まった鬱憤、早く晴らしたい。
早く、殺させろ。
ギャラリーもドン引きな殺し方をしてやる!! ※男の股間をガン見しながら言っています。
◆◆◆◆◆◆◆
移動している物体が完全に停止したのを僅かな振動で察知した。これで漸く、この拉致監禁スタイルが終わると安堵する。
両手両足の自由が無いのと視覚聴覚の断然、呼吸のし難さだけ我慢しさえすれば、寝床的なのはフワフワで室温も丁度いい結構快適な搬送だったけど⋯⋯いや、そもそもそれらを我慢させられている時点で快適とは真逆だったわ。
といった具合で近藤の常識はいい感じに麻痺してきていた。
「⋯⋯んっ」
突然両脇に手らしき物を差し込まれて立たされ、両足についた拘束具を外される。急にされるのはビビるからやめて欲しい。
急に何かをやるのならばせめて即尺をして欲しい。それなら俺はとても嬉しい。
なんてアホな事を考えていると腰に手を添えられ、前方向へ進む事を促されたのでそれに従い歩く。ちょっと方向がズレると直ちに向きを直されるのが鬱陶しい。そんなんするなら手を引いて行けと言いたい。が、それを指摘する為の口は塞がれている。
時折、意味もなくその場でクルクルと回され、方向感覚を狂わされ、また歩き出す。そんなに警戒しなくても平和ボケした日本人にそんなスキルは備わっていないのに⋯⋯徹底してやがる。
回されて気持ち悪くなったのを伝えられず、更に進む事大体十分。漸く目的地に到達したらしく動きが止まる。部屋に入った瞬間、ムワッとした股間にクる熱気を感じた。俺はこの後⋯⋯な、何をされてしまうんだろう。
期待と不安と期待に股間を膨らませ、湧いてきた生唾を飲み込んでいると、両肩を下に押された。その力に逆らわず座ろうとしてみる。これが座れって事じゃなければ恥ずかしい事になったが、どうやら合っていたらしくフワッとした座席と背もたれを感じた。
感じる熱量が少し上がった気がする。後、ちょっと肌が震えるのはなんなんだろうか。空気の振動?
手錠を外され、掌を開かれる。
なんだ? 擽ったい⋯⋯あれ? 何か書かれている。
⋯⋯お、ど、ろ、く、な
ふむ、驚くな⋯⋯と。ん? まだ続くっぽい。
⋯⋯い、ま、か、ら
今から、なんだろう。
⋯⋯め、と、み、み、の、を、は、ず、す
目と耳のを外す。なるほど。
お、おぉ!!! やった! 俺は自由だ!!
ガッツポーズをしようとした両腕を捕まれ後ろ手に回される。直後、ここ何日かでお馴染みになった物の音と感触が来た。
そう、オレはまた手錠を掛けられた。
そして、それに嘆いていたらヘッドホンとアイマスクの両方を外された。
途端――襲い来る絶叫に似た大歓声。周囲に見えるは360℃大パノラマの円形闘技場らしき箇所。観客も既に揃っていて、満 員 御 礼。
異様な数の観客の出すキャーとかワーとかの嬌声が重なり、爆音へ変換されて中心に居た俺へと届く。来た時に感じた空気振動に似た物は、これだったんだね。ふふふ。
⋯⋯あかん、もうキーンとしか聞こえない。鼓膜無いなったなコリャ。序でに数えるのが無理な程の視線に晒されて股間が縮み上がった。
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・用語解説
奉仕こそマイライフ!! 絶対に御満足頂けるご奉仕を貴方に!! が、スローガンとして掲げられる異常者の集団
家事全般は勿論の事、医療系、護身術、メンタルケアから多種多様な乗り物の免許、執務系、法律系等までなんでもござれの異常者たち
幼少の頃から洗脳紛いのメイド教育を施されているとかいないとか
メンタルコントロールも完璧な筈だが、未知の
引き締めの為にメイド部門→黒服部門→暗殺部門→育成部門→メイド部門へとワンクール毎に部署異動していく
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