第5話 集まる参加者達!! 後
◆◆◆◆◆◆◆
男との素敵な出逢いなんてモノは無い。
そう悟ったのは、中学三年生の初冬だった。
創作物で胸をトキメかせる同級生に、「現実を見ろ」と言いたかったが我慢した。それよりも、容姿に秀でていない自分が男と出逢える確率を高くするのにはどうすればいいか⋯⋯と真剣に考えた結果、金を稼ぐか社会的な地位を手に入れればいいと結論を出した。
そこからは鬼気迫る勢いの猛勉強を経て、見事国有数の難関高校へと進学した。本気になるのが遅すぎたかと思ってはいたが、元々持っていた地頭の出来が良かった事に感謝をし、高校では青春を全力で投棄して勉学へ打ち込んだ。
大学も余裕で最難関に合格。就学中に起業してそれが大成功。一度も首席を譲る事なく卒業。卒業時には業績は右肩の異常発達。
そんな誰しもが認める超絶サクセスストーリーを描いてから、早23年⋯⋯彼女に危機が訪れていた。
地位も名誉も金も手に入れた女はただ一つ持っていない物があった。それを失念していたのは、ただ只管前だけを見続けて全力疾走をしていたからであった。
「忘れていたわ⋯⋯自分の容姿が恵まれていなかった事を⋯⋯」
ピカピカのフローリングにガックリと膝をついてこれまでを悔やむ。どうして、一番気を付けなければいけない部分をノータッチのままにしていたのか。
己の情けなさに涙が滲む。その溢れ出た涙は重力の後押しを受けてフローリングに落ちる。
「あははは⋯⋯あーあ」
“いくら金を積まれてもそれだけは⋯⋯無理な物は無理なんです。本当にごめんなさい”
これまで、この世界では飼い殺しにされるのが普通な男性が、分不相応な夢を描いて自由を得ようと藻掻くのを有り余る資金力で応援してきた。
“慈愛の女社長”や“現実を突き付ける者”と云う異名を付けられたりした。けど、決して慈善団体ではない。下心アリアリでの、援助であった。
一時敵な自由だと理解していなかったが、自由を得た事で涙ながらに感謝されるも、アレらは決してこちらに恩返しはしなかった。寧ろ、応援出来ただけ感謝しろよと言い放つ者までいた。
高齢出産を希望するにしてもそろそろ覚悟を決めてくださいと、医者に先日通告された。これが最後、普通のプロセスを経て種を貰おう。そんな希望に縋るのは最後⋯⋯そう決めていた男性から、丁寧ながら完全な拒絶を頂いた。
中学の頃から思い描いていた夢は、これで終わる。彼女はこれから貞操逆転世界にありがちな精子をごにょごにょするアレで妊娠出産する事に決めていた。子どもはずっと欲しかったが、夢を見すぎた影響で一人しか望めないだろう。
「あーあ、結局全部無駄だったなぁ⋯⋯唯一救いなのは、私が反面教師にした同級生達も全員そのまま雁首揃えて独身な事だけ」
我ながら性格悪いわ⋯⋯と自嘲しながら、涙で濡れたフローリングに寝そべる。もう、今日は何もやる気がしない。明日休みにしておいてよかったわ。
そんな時、無気力になった彼女の元へ例のアレが届く。
「⋯⋯ッ!?」
それを見て、待つのではなく自分で掴み取れる機会を得たと認識した彼女は参加を決めた。
高齢出産女社長、エントリー完了
◆◆◆◆◆◆◆
―――ダンッ!!
人はいつからか、あたしをこう呼んでいた。
“サイコパスリッパー”
そいつら絶対に頭おかしいよね? 誇張でも何でもなく勤めていた病院で一番人を救って来たあたしを、そんな呼び方が定着しているって理由で馘首にするとか⋯⋯
―――ダンッ!!
ちょーーーーーーっと人よりも血とか内臓とか断面とかが好きなだけの可愛い女の子なのに⋯⋯失礼しちゃうよ!!
「何よ!! 趣味が仕事になっても誰も不幸にならなかった稀有な例じゃない!! マスク越しでも笑顔になっているのが怖いとか完全に言いがかり!!」
―――ダンッ!!
「アホみたいに難しい手術をさせた後に馘首にするとか鬼畜の所業を超えた何かよね!!」
―――ダンッダンッ!!
「焼肉な気分だったのに!! 何時間も拘束された所為で!! 店閉まっちゃってた!! コレが一番ムカつくんだよ!! あの肉だるまめ!!」
品揃えがイカれてると評判の24時間スーパーで鶏一羽を買い、深夜と言うか明け方にソレを捌くあたし。マジソロ充。
「あー⋯⋯前の休みに衝動買いしたこの骨切り包丁いいわぁ⋯⋯ちょー良く切れる♡」
水炊きを作る為に骨ごとぶつ切りにする作業が快感でございます。あの肉だるまも簡単に捌けそう。
⋯⋯⋯⋯殺るか? でもなぁ、完全犯罪なんて無理だろうし⋯⋯
ピロン―――
「ん? お? おぉぉぉ???」
例のアレ、届く。即、参加表明。
「騙されたら騙された時だ⋯⋯ふふふ、その時は関係者全員カッ捌いて殺る」
サイコパスリッパー、エントリー完了
◆◆◆◆◆◆◆
人は産まれた瞬間から勝ち組に位置する者がいる。世の中は不公平だ。公平? 平等? そんなモノは持たざる者には適用されない。
産まれた時点で、格付けは、完了している。
その後の努力で得られるプラス査定を加味しても、その産まれながらの差は大きく、縮まる事はない。
「アンタはいっつもいっつもくだらないミスばっかりして⋯⋯本当に愚図ね!! 受精卵からやり直したらどうかしら?」
職業:大学生及び飼い犬。
飼い主:何とか大臣の令嬢
「す、すみま⋯⋯キャアッ」
「なんで犬が人語を話しているのかしら? 未確認生物の研究所とかに高く売れそうだわ」
良い所の令嬢らしからぬ鋭い前蹴りが腹に突き刺さる。世の中は⋯⋯理不尽だ。人なのに人権が認められていない。この国の憲法は効力を発揮していない。
地位や金で犯罪は意図も容易く合法になる。同じ犯罪を犯しても、この令嬢とウチなら、判決は180度違う物になる。滅びればいい、こんな世界。
「ゲホッ⋯⋯なんで、なんでこんな事され続けなきゃいけないのよ⋯⋯ギャッァァァ!?」
「ふふふふ、流石お馬鹿な犬ね。そんな事もわからないのかしら?」
地面につけていた手の甲へ、令嬢の踏み下ろした足が落ち、ヒール部分が突き刺さったが貫通はしていないみたいだ。
「あら? 汚いわね。ほら、アンタが汚したんだから舐めて綺麗にしなよ。ほら! 早くっ!」
理不尽が過ぎる。
(巫山戯た悪意と痛みで気持ち悪くなってきちゃった⋯⋯舐めるフリしてゲロを吐き散らかせば少しはスッキリするかなぁ⋯⋯)
どうせ、日々エスカレートしていく凄惨な虐めだもの。明日から少し段階が飛ばされる程度、どうってことない気がする。よし、やったろうじゃない。
「⋯⋯き、綺麗に致します」
「アハッ♪」
思い通りになる事がそんなに嬉しいのかな? メスオークよりも醜悪な顔しやがって⋯⋯今からその醜悪な顔がメスゴブリンのように歪むんだよ! よかったな!!
ウチはメスオーク顔令嬢の足首をしっかりと掴んでから顔を近付けていく。ちょっとやり口が強引だったから何かしようとしたのがバレたかな? メスオーガみたいな顔で取り巻きに指示を出そうとしている。でも、もう遅いよ。
「ウッ⋯⋯オボロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ」
ベシャベシャビタビタと不快な音と臭気が一帯を支配する。令嬢取り巻き共に唖然としている。ざまぁみさらせですのよっ!!!! お前の足、クッセェですわ!!
ゲロコーティングお嬢はその場で失神、阿鼻叫喚となり何もかもが有耶無耶になり無事に帰宅。その後、自宅でスマートフォンを確認すると例のアレが。明日からの地獄を考えれば夢があるという理由で参加を申し込んだ。
飼い犬レディ、エントリー完了。
◆◆◆◆◆◆◆
どういった調査で参加者を選定したのかは不明だが、参加者達は全て失う物など何も無い状態の無敵なメンツが集まった。
計31名+
見事素人童貞性欲オーク並の巨チンを股に⋯⋯いや、手に入れる事が出来るのか。
もうすぐ史上最低の娯楽の膜が⋯⋯幕が上がる――
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・人物紹介
11歳 処女
ゴスロリランドセル ツインテ 百合好きだけど男にも興味津々
IQヤバい
親は放任しているが金払いはいい
その金で色々とグッズを買い漁っている
ぺったん娘
17歳 処女
眼鏡スレンダー クリがちょっと大きくて長め
ヤンキーの虐め被害者で15歳からクリを弄られまくり、最近は伸ばされ気味
ザワザワするギャンブル漫画を愛読している影響か思考がよくザワザワする
キュキュキュ体型
18歳 処女 膜無し
ヤンキー女 ガングロ一歩手前 金と黒のストライプヘアー
眼鏡スレンダーを虐めてストレス解消が日課だが、実は彼女が好きな典型的な小学生男子脳
クリをチ〇ポにしてヤる事を画策している
ボンキュッボン
38歳 処女 膜無し
酒カスアラフォー 酒焼けボイス ボサボサボブ
上司からのパワハラ、モラハラ、セクハラのハラスメントハッピーセットを受け続けて酒に癒しを求めるアラフォー
最近、肝臓が悲しくなる数値を叩き出した
ボンムチボンッ
16歳 処女
邪悪役令息ガール 目付き極悪 短めポニテ
『薔薇の棘』人気No.1
男装なのに素が女装と言われる哀しい女の子
メンタル激強だったけど圧し折れた
キュキュキュ体型
45歳 処女 膜無し
高齢出産女社長 (この世界では)モブい容姿 ストレートロング
資金力と地位は手に余る程手に入れたが、男は遂に手に入れられなかった
子どもを育てたい願望激高
ボボンムチッボボン
29歳 非処女
サイコパスリッパー 金髪外国人な容姿 サイドテール
血と臓物と断面フェチ
執刀医としてだけみればゴッドハンドだが色々と残念な人
手術も好きだが解体も好き
有名な女怪盗波のボンキュッボン
19歳 処女 膜無し
飼い犬レディ 虐められっ子 三つ編み
文部科学大臣の娘にやりたい放題される不憫な子
そんなお嬢様にゲロコーティングしてもう何も怖くないとなった
リンゴ普通ボンッ体型
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