ひとりじゃないって

ももいくれあ

第1話

こんなとこまで来てしまった。

夜明け前に目をこすった。

おぼつかない足元を、

優れない気分を、

昨日のワタシを思い出させた。

気がつけば、いつもの場所に、いつも通りに戻っていた。

そうやって、やってきて、何とかなった時間(とき)があった。

忘れなよ。

なんて言ったくせに、そのコトバだけが、虚しく響いた。

アスファルトに叩きつけた、

ハイヒールやパンプスが、

響くのは音だけだった。

誰の声も聞こえない。

聞こえないフリをしてきた。

そんな日々を置き去りにして、

いいよ。

なんて言ったくせに。

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