第46話 サラの提案

「エナード・ガディウス――私と勝負をしてくれないかしら?」

「勝負?」


 つまりこの場で学園内序列ランキングトップの座をかけて昇格戦をしようってことなのか?

 しかし、あれは開催される時期が決まっているし、何より教師の許可がいる。

 先日のグラットの件でまだ対応に追われているようだし、この状況で学園側が昇格戦――それも、一位と二位といういわば注目の頂上決戦を許すとは思えなかった。


「サラ先輩、俺もその挑戦を受けて立ちたいところではありますが、昇格戦は学園側の許可が必要です。今は難しいのでは?」

「あら、何も昇格をかけなくたって勝負はできるでしょう?」

「まさか……私闘ですか?」


 それこそ学園内では御法度とされている行為だ。

 ここまで順調にキャリアを築いてきたサラ先輩がそんなリスクを背負ってまで勝負を申し出たというのか。


 ――が、どうも俺と彼女の認識には違いがあるようだ。


「私闘だなんてとんでもない。私とあなたが実戦形式の鍛錬をしている間、少々ヒートアップしてお互い本気になってしまっただけのいわば事故。誰にも咎められないわ。幸い、今この鍛錬場にいるのは私たちだけのようだし」

「…………」


 かなり強引は理論だが、御三家の立場を考慮したらそれでもゴリ押しできそうだな。

 とはいえ、そんな案を持ち出してくるなんて……よほど俺と勝負がしたいらしい。


「分かりました。勝負しましょう」

「そうこなくては。念のために言っておくけど、遠慮は無用だから」

「了解です」


 手心を加えられるのが一番嫌いそうだからな。

 俺も本気で相手をしよう。


 これについては今後のフラグ管理の意味も込められている。

 彼女は本作におけるヒロインのひとり。

 本編のシナリオとはかなり流れが変わってきてしまっているが、それでもサラ先輩の影響力は大きいだろう。


 そんな彼女を味方につけ、尚且つ関連するフラグをすべて阻止する。


 御三家が協力体制を確固たるものとすれば、これから先も何かと動きやすくなるだろう。


 ――と、まあ、細かい話はこれくらいにして。

 自分の生み出したキャラと全力勝負……今はこの瞬間を楽しむとしよう。

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