第27話 思わぬ対応

「なんだぁ、おまえら」


 屈強な男たちを束ねるように現れた少年。

 明らかに周りとはひと回りもふた回りも年下のはずだが……なるほど。他の大人たちが従っている理由が分かる。


 間違いなく強い。

 こうして向かい合っているだけでもそれがヒシヒシと伝わってくるな。


「おまえら……アストラ学園の生徒だな」


 そしてあっさりと俺たちの正体に気づく。

 ――というか、サラ先輩とは面識があるだろうから俺たちの正体についても何となく察せられたのだろう。

 

「サラ・クロフォード……こんな時間に後輩を連れて学園を飛び出すなんて、相変わらず奔放なようだな」

「あら、私は連れ出された側ですよ?」

「何っ? ――なら、そっちの男が?」

「その通りだ」


 一歩前に出ると、周りの男たちがざわついた。


「お、おい、あいつはまさか……」

「間違いねぇ! ガディウス家のロクデナシ長男だ!」

「てことはこいつ御三家の子息かよ!?」

「つーかクロフォードっていうのも御三家の名前だよな!?」


 俺のことを知っている者がいるようだな。

 恐らくは魔鉱石の件で名前を聞いたのだろう。


「この流れでいくなら……そっちの女はジュナトス家のご令嬢か?」

「えっ? あ、は、はい」


 正直に答えてしまうテオリア。

 まあ、誤魔化したところで意味はないからそれは別にいいか。


「天下の御三家がこんな物騒な場所に揃い踏みとはな。おまけに時間は深夜……何が起きても目撃者はいないってわけだ」


 ニヤッと笑みを浮かべるジェロード。


 他の男たちも「ジェロードならばこの場を最高の形で収められる」と確信しているようでこちらも顔に自信が戻っていた。


 ――が、ここで思わぬ展開に。


「……なんてな。俺が本気を出したところでサラ・クロフォードひとり抑えることさえ叶わないだろう」

「「「「「えぇっ!?」」」」」


 戦う前から敗北宣言が飛び出し、周りの男たちは驚きの声をあげる。

 だが、それは俺たちも同じだ。

 潔いとかそういうレベルじゃないぞ。


「なら、学園へ攻め込むようなマネなどは――」

「おいおい、そんな物騒なことするわけないだろ。確かに俺は学園内序列ランキングであんたの――女帝エンプレスのすぐ下だった。けど、そいつはもう過去の話。今はもう戦う気力も向上心もない、自堕落な日々を送っているよ」


 ……あれ?

 なんか評判と違わないか?




※作者多忙(書籍化作業)のため、次回より不定期投稿となります。

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