閻魔の異世界探訪(プレリリース)

@Enma_Sea(エンシ)

第1話 プロローグ

どうも、私、閻魔です。今地獄で書類作業中です。横にいるのが総秘書長のリョーカ。種族は黒鬼で鬼神の娘。仕事もできて、美人で、オマケにめちゃくちゃ強い、地獄のNo.2さ。さて、なぜ急にこんなことを書き始めたのかと言うと、いつもと違う何かが起きそうだからなんだ。


どたん!バタン!

「閻魔様!今地獄に落ちてきた人たちのデータだよ!チェックしてね!」

「おい!入る時はノックをしろとあれほど…!リーフェ!」

「行ってしまいましたね。まったくあの子は…ハァ。」


今来たのはリーフェ。子供っぽくて可愛い子だが、常識知らずな点が玉に瑕である。彼女は面白い道具を開発したり改良したりと技術面で突出した才能を持っているので四大秘書長に抜擢したのだ。因みに、種族は正鬼しょうきと言って、常に冷静に物事を客観視する鬼の一族だ。


「それにしても凄い量持ってきたな。何かあったのか?」

「どうやら第184世界:通称『コウキン』で大きな反乱があったみたいですね。」

「はぁ、何が不満だったんだろうねぇ。長生きしてればもっと楽しいことがあったろうに。」

「え〜、端的に言いますと貧しい農民たちが新興宗教に嵌り、その信仰に基づいて起こした反乱らしいですよ。ほら、皆黄色の頭巾を頭に巻いているでしょう?」

「へぇ〜、宗教って恐ろしいんだ、地獄でも気をつけような。いやぁ〜、それにしても便利だね。たぶれっとって言うんだっけ?知りたい情報をこんなに簡単になんでも教えてくれちゃうんだ。」

「ええ。これもリーフェのおかげですね。」

「ああ、そうだな、あいつが…」


プルルルル


「はい、こちら地獄、総秘書長のリョーカです。ご要件はなんでしょう?…はい。…はい。少々お待ちください。閻魔様、弟君の全能神様からです。」

「ほう、ゼンか。あいつから電話をかけてくるなんて珍しいこともあったものだ。ほい、代わったぞ。」

「兄さん、頼みたいことあるから天界に来て。詳しいことは来てから話すから!お願い!」

「まあ落ち着け。この書類作業が終わったら行ってやる。」

「そんな…時間ないのに…。」

「なんだ?急ぎの用なら電話越しでもいいだろ。言えないのか?」

「いや、それが…「あーもう!代わって!お兄ちゃん、私、魔導神よ。全兄ぃが言うの躊躇ってるから言っちゃうわね。お兄ちゃんには第101世界:通称『イーゼン』に行って欲しいの。」…あああ、言っちゃった。そういうことなんだけど…神界で行けるのが兄さんだけだから。」

「なるほど、そういう事ね。分かったよ。引き継ぎ等諸々しなきゃいけないからちょっと待ってて。」ガチャッ

「どうされたので?」

「ああ、なんかトラブルらしいよ。しばらく地獄を離れるから、あまりにも帰りが遅かった時用に子供たちの中から1人、跡継ぎに相応しい子をリョーカが選んでくれ。」

「了解しました。行ってらっしゃいませ。」


さてと、輪廻の道を通って天界に行くか。遠いな。よし、いくつか道中で確認すっか。まずは各世界について。第1世界:通称『天界』は私が神々の住まいとして最初に創った世界。今も様々な神をはじめ、天使や前世で善行を重ねた人たちが暮らしている。今いるこの第2世界:通称『地獄』は神をも含めた罪人を裁くための世界で、私が創り、今現在に至るまで管理していた。多くの神がこの二つの世界にいることから、この2つをまとめて神界と言う時もある。ちなみに、第3世界:通称『地球』は、科学の発展した世界であると同時に初めて人間が生まれた世界で、第4世界のモデルとなっていると言われている。第5世界以降は、神が使う神力によく似ている、「魔法」と呼ばれるものが発展した世界が多く、第101世界:通称『イーゼン』もその一つである。

ここまで考えたところで…


「あ〜、閻魔様だぁ〜。天界に行くんでしょぉ〜?さっきリョーカから連絡あったよぉ〜。どうぞお通りくださぁーい。」


と、声がした。どうやら輪廻の道入口に着いたみたいだ。今声をかけてきたのは四大秘書長の一人、牛頭鬼のニータだ。非常におっとりしていて、ふわふわとした喋り口調だが、パワー,スピード共に種族内トップ、地獄でも有数の実力者である。そんな彼女だからこそ、この要所たる輪廻の道を守らせている。


「ああ、お疲れさん。今日もありがとな。」

「えへへぇ。ニータ、今日も頑張っちゃうぞぉ〜!」


にしても、さすがリョーカだ。きちんと着く前に連絡をいれてあるなんて。


さて、あと2人四大秘書長が残っているが、彼女たちの紹介はまたの機会として、今は急いで天界へ向かうとするか

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