赤毛のリリさん 異世界にきたら赤毛になって魔力は0!婚期を逃してやっと結婚したのに夫の浮気疑惑や家族問題といろいろ大変だけど幸せなので主婦してます。(旧題:召喚した者 赤毛のリリ異世界の家族物語)
小森小涼
第1章 ここから本当の冒険が始まった
第1話 本当の異世界
爽やかに目覚めると身体を起こして周りをみまわした。
あれ?ここはどこだっけ~?そうだ空飛んだんだぁ~。
リンガ?キーレフがあたしに与えてくれた騎獣の名前だわ~~~!
まだ付き合いは短いけど、わたしに懐いてくれて足に頭を擦り付けてくる。・・・ウフッ・・・かわいぃぃぃ!!!
リーリエ「おはよう!ユーリいる?」
ザザーー ザザー ザザーーー
ユーリ 「おはよザーーーいます、リーリエ。」
ザザーー ザーザザー ザザザーーー
リーリエ「ねぇ、リンガは?見当たらザザーーー」
ザーザザー ザーー ザザザーーー
ユーリ 「今、食事に出かけザーーー」
リーリエ「そうザーーご飯食べてるのかぁ、そうだよね!
ユーリ 「リーリエ、昨日は寒くあザッーせんでしたか?」
リーリエ「うん、寒くザザザーよ~、暖かかった!」
ユーリ 「ザザーれは良かザザーザザッーーじつはきのうザザッ温が
マイナス近くまで下ザザッー心配でした。」
リーリエ「白いザッーチラチラと・・・これゆ・・・き?ザザザッーー」
ザザザッーーーーザザザッーーザッーー ザザーーザッーー
ユーリ 「リーリエが目覚めなザザッー会えなくなるザザッーー」
ザザザーーーザッーーザーザーザーザーザザザザザ
リーリエ「なに言ってザザッーー起きてるよザザッーー」
ザザザッーーザーーザザーーーーザザザーーーザッザッーーー
わたしは空を見上げてリンガが戻ってくるのを待った。
灰色の空をみていたら頭の中で雑音が大きくなっていく・・・
眉間が熱くなってきた。
突然不安になり・・・
まるで嵐の中にいるような・・・
ユーリの声・・・聞こえない・・・
燃えるように熱い眉間・・・
これぜんぶ本当のことなの?
雪は激しく降りだし渦になり・・・
竜巻になってわたしを巻き込み宙へと舞い上がっていく・・・
眉間の熱は炎の矢となってわたしの脳を貫いた!
気を失ってそして再び目覚めると・・・
・・・からだが・・・動かない・・・・
どうなってるの?自分になにが起こったか必死に思い出そうとした。
そうだ、この迷宮ダンジョンを破壊してくれと王国から依頼があって・・わたしのからだはその
痛みは感じないけどやたら眠いし力が出ない、どうしたら良いの~?!
どうやって逃げだす?あの夢は
脱出しなきゃ!もうすぐ首のとこまで
一か八かやってみるしかない!
わたしの手は
動け!動け!手を主に向けて最後の力を振り絞って叫んだ!
「収納ーーーーーー!!!!!」
残ったわたしの身体は所々、骨や肉が見え足は太もものところまで溶かされかけていた。
全身に激痛を感じる!気を失う前に手の平を上に向け急いで空間倉庫からフルポーションを噴水のように体の上に降らせた。口を大きく開け溜まったフルポーションを飲む。これはマーリンから指示されたこと。
効きめはすぐに現われて溶かされたすべての部分は復元した。
ふぅ~疲れた、でも一刻もはやく移動しないと。なん時間かしたらまた
疲れた体を引きずるように安全地帯に移動した。安全地帯といっても各階の階段なんだけどね。階段部分には魔獣は入れないみたいで一般的にはそこが安全地帯になってる。
なぜなら
あぁ、目眩がする・・服もボロボロだし指をパチンと鳴らし装備交換と呟き新しい装備と交換されて少しは気分がよくなったかな、指を鳴らすと魔法使ってる気分になるのよねぇ~。
そうだ!なにか食べないと死ぬ!どれだけの血液を失ったんだろう。マーリンが持たせてくれた増血剤のカプセルを出して急いで飲んだ。
おにぎりやら卵焼きとかも出して貪りはじめた。味噌汁あったかな?もう何でもいいや!手当たり次第食べものを倉庫から出して食べた。
あの夢・・・ユーリやキーエフねぇ~、ユーリは声だけだったけど・・・。
やっと人心地ついて昔を思い出していた。あの夢ではステータスって思っただけで頭に浮かんできたんだけど実際はそんなものないんだよねぇ。あれはゲームの中だけのもの。なんであんな夢みたんだろクスッ。ユーリにボロクソに否定されたっけぇ~よく喧嘩したなぁ・・・・・。
さてと、力も戻ってきたみたいだしコアに対面してきますか。
わたしは下の階の部屋に慎重に入り目でコアを探した。それは一番奥の祭壇のようなところに収っている。紫色をした両手で抱えるには少し大きめのクリスタルのようなものだった。
クリスタルの中心部は赤く心臓が躍動しているように点滅していた。
「ごめんね、これもお仕事だからゆるして!」
そういうと手をクリスタルに
クリスタルを収納したと同時に部屋が揺れだした!
急いで逃げないと!
脱出用の転移マットを出して床に置きその上に乗ると魔法が発動してわたしの身体は迷宮ダンジョンの外へと転移した。
外では王国の騎士達がわたしの帰りを待ちわびていたようだ。わたしの姿をみつけるとそばにかけ寄ってきて成果を聞きたがっていた。
わたしは一呼吸置いて
「依頼は完了しました!」
「おおぉぉーー!!」
騎士や兵士は大歓揚げ叫び喜んでいた。
その後ろで苦虫を噛みつぶしたような表情をした男がゆっくりわたしのそばに歩み寄ってきて
「怪我はしてないな?」
残念ね!わたし生還したよ!
「大丈夫よ、見れば分るでしょ?」
「じゃあ、帰るぞ、もうすぐ子供達が戻ってくる、食事の準備もしないとな。父上達も今夜の食事は楽しみにしていると言っていたし」
そういうと男は私の腰に手をまわし引き寄せ口づけをした。
こいつ、あくまでもわたしを愛してるって回りに見せつける為にこんなことまでやるんだから・・・触らないでほしいわ!
「やめて!人前でそんなことしないでよね!」
「今更なにいってるんだ?!おまえは!子供もいるのに恥ずかしいとか!理解できん! まったく異世界人というのは。」
まわりの騎士達は、またはじまったとばかりに各々後片付けやら迷宮の跡を観察しだしちりぢりに散っていった。
「おまえたちは相変わらずだな?」
男の後ろか長い髪と髭を蓄えた老人がニコニコしながら現われた。
「聞いてよ、マーリン、ユーリったらね・・・」
「おまえ、その名前は止めろと何度も言ってるだろ!!」
「ふぉふぉふぉふぉ、昔を思い出すなぁ。」
老人は長い髭を撫でながらわたしたちをみて笑った。
「マーリンか、遅いぞ!リリに何かあったらどうするつもりだったんだ!」
「大丈夫だ、リリなら、打ち合わせは既に済ませてあったからな。
「飯だけは食いに来るのか?!なんてじじいだ!」
「リュート、相変わらず口の悪いやつだなぁ、それでも一国の将軍か?!」
「ほんとよねぇ、子供たちの教育によくないわ!まったく。」
ユーリの本名はリュート・フォン・エルロイド王国騎士を束ねる将軍。
マーリンというのはキーエフのこと(精霊は本名を名乗らないのだそうです)リリっていうのはわたしのこと。
はじめはリーリエって名乗ってたんだけどリュートが呼びにくいとか文句言い出して結局リリって名前になったの。
ほんとむかつくわ。
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