小さな告発

一盃口

本文

 自分は千葉の大学に通っている大学生で一人暮らしをしている。普段は船橋で過ごしているのだが、つい先日、その帰宅途中にこんなことがあった。

 その日は部活帰りで、時間は10時台だとかなり遅い時間帯になっていた。この町はなかなかの繁華街だから、駅前にはキャバクラの客引きが並んだりして、結構イヤだな、と思っていた。道も細いし、追い越し車には常におびえていた。しかも、調子こいて運転していると、警察にしょっぴかれて5000円だとか安くない過料をカツアゲされる。しかも、こんど取り締まられると再犯だから警察署に赴く羽目にもなる。なので、なかなか気も抜けずに運転していた。

 そうしてやってると、体がピクッとなった、青い制服! 警官である。しかも誰かに向かって話しかけている。しくじったか!? と思ったがそれは杞憂だった。警官が話しかけているのは、前にいる自転車に乗ったインド人風の男であった。「これはご愁傷さま......。」なんて思いながら彼を見つめていた、だが、話を聞いていると彼は交通違反をしたわけではないようだった。

 「ちょっとすみませんね、千葉警察署です。最近、この辺で自転車の盗難が相次いでおりまして、その自転車があなたのものかどうか、確認したいんですがよろしいですか? 」

 だが、その話もなかなか驚きの話であった。よく見ると、後ろからもう一人の警官が来て、男を左右から挟み込んで、逃げ場をふさいでいる。なかなか理不尽な話だったろう、その男にとって。いきなり警官に自転車盗呼ばわりされて職質される。そして、その大方の理由が、その男がインド人であるから。

 

 最近、プロファイリングなるものが推理ドラマでは使われている。事件現場の状況から犯人の性格を分析し、人相(容貌)などを推測するという。

 だが一方、これは密接に差別と結びついている。場合にもよるが、更生した前科者を犯人呼ばわりして私宅や、職場に事情聴取にうかがうことは、周辺住民に彼(女)の前歴を吹聴することになるし、また、アメリカでは黒人に限定した事情聴取や、暴力的な拘束行為があり、現実に首を絞めた拘束によってジョージ・フロイト氏が命を落としているのは耳に新しいだろう。

 強引な拘束などでは決してないが、今回自分が見たものは人種を判断材料とする事情聴取であった。


 それでも、特定の人種に犯罪検挙率が偏っていることは自分も承知している。そのため、こういう事情聴取が不当だ、今すぐにやめるべきだ、と大口には叩くつもりはない。しかしモヤモヤする気持ちは大きいのだ。みなさんはこのことをどう考えるか、意見を聞かせてほしい。また、これがそれほどに値するのあれば、拡散してくださると、著者の自分としては非常にうれしい。

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