ハッピーバースデー 不明
仲仁へび(旧:離久)
第1話
明日は誕生日だ。
僕の友達の、あの子の誕生日だ。
だから盛大にお祝いしてあげないと。
仲良しだから、友達をお祝いするのは当然。
でも、何をしてあげればいいんだろう。
あの子は変わり者だから、きっとありふれた事をしたって喜ばないだろうし。
うーん、困ったな。
何をやっても「ふーん」って顔されそうでちょっと怖い。
誰かにアドバイスもらおうかな。
「そんなのなんでもいいんだよ。気持ちさえこもっていれば、喜んでもらえるよ」
「やっぱり普段役に立つものをプレゼントするとかはどうかな? 使う回数が多いものは助かるだろうし」
「変わり者らしく変わった品物、つまりユニークな物をプレゼントすればいいんじゃないかしら」
色々なアドバイスもらったけど、しっくりこないな。
ちょっとロマンがないけど、本人に直接聞いてみようかな。
「という事で、誕生日にしてほしい事ある?」
「じゃあ、私の誕生日は「あなたが自分の家から出ないように」して」
「えっ、そんな事でいいの? 分かった」
私は不思議そうな顔をして離れていくその人物を見送る。
馴れ馴れしくされたり、べたべたされるのは嫌いなのだ。
だから、「私に関わらないで」と言いたかったけれど、それだと余計にまとわりつかれるだけ。
あの人物は一人でいる変わり者の私の事を、「かわいそう」だと思ってるみたいだから。
私は好きで一人でいるというのに。
だから、遠回しにその日だけでも関わらないでと伝えたのだ。
阿保で良かった。
それにだって、せっかくの誕生日でしょ?
特別な日は、誰にも邪魔されず一人で過ごしたいもの。
ハッピーバースデー 不明 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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