百八箇所の寺社めぐり

遠藤成美

第1話 プロローグ

 いつ頃からか、寺ガールとか仏女という言葉が生まれ社会現象の隅っこに根を下ろしているようだ。ガール、というからには若い女子のことを指していうのであろうか。

 いいなぁ。私の10代、20代ころにはそんな言葉は無かった。いや、そんな女子はオオサンショウウオと同じくらいに天然記念物扱いをされていた。かといって、オオサンショウウオのように注目されるわけでもなく、30代になってもまだまだババくさい趣味などと言われ、40代になった頃からか‘歴女ですね’と流行り出した言葉でちょっとくすぐったいことを言われるようになった。50代になったら、やっと趣味と年齢が一致してきたような気がするが、私が訪ねるところは渋好みのお寺が多いせいもあり、まだまだ行く先々で最年少の気分を味わっている。


 このエッセイでは高校の修学旅行から始まる私の寺社めぐりの体験談を綴りながら、神社仏閣を紹介していきます。

 百八という数字は煩悩の数。除夜の鐘を撞く音の数。時折、私と一緒にゴーンと心の中で鐘を鳴らしてみてください。

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