鈴を転がすような君の声

@ma4245

琳琅



鈴を転がすような声で歌う君が好きだった。

他の誰でもなく君と話す時、私は内心で意気揚々とする。

感情を表に出すのが怖かった。

糸が切れたように君に惹かれて行った。


同棲。

ベランダで徐にiPhoneを取り出し私の写真を撮る。

自分の好きな古着屋に私を連れて行く君。

帰りが遅くなると毎度連絡をする君。

君なりの行動が見えた瞬間だった。


太陽に透き通った君の目は琳琅だ。

その目から君の音さえ聴こえてくるような気がする。

「目、綺麗だね。」

いつだったか、私は君にそう言った。

「ありがとう。」

少し首を傾げながら、照れ臭そうに君は言う。

私は本来の私が分からなくなるぐらいに、この世の春を謳歌していたんだ。

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