アルテミスの弓姫~valkyrie arcadia~

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第一話

とある朝の出来事......

それは突然起こった出来事だった!

ドンッ!! ドンッドンッ!!!

『キャアッ!』

誰かがぶつかってきたのだ――しかも二人同時にである。

一人目は銀髪のロングヘアーでもう一人はピンク色の髪をした女性だ。「......すみません。大丈夫ですか?」

そう尋ねたのはぶつかった銀髪のほうの女性だった。

女性はぶつかった衝撃で尻もちしたためかスカートの中が見えてしまっている状態となっていた..

そのためなのかは分からないがピンク色の女性が驚いた顔でこちらを見ていた。

「あっ、ごめんごめん..でも君のほうが悪いよ?

だって私のことを無視して走っていくんだもの!」

私は急いで立ち上がりながら弁明する。

だが私は彼女が言っていることが理解できなかった....

『私より先に走り出したのになんで私が悪いってことになるんだよ!?』

『そんな訳ないでしょうが!!』

突然背後から声が響き渡ると同時に女性の背後で爆発が起きる。

そこには青い髪をポニーテールにした女性と赤い髪を三つ編みにして束ねている女性が立っていた。

どうやら先ほどの声の正体は二人の女性によるもののようだ。

彼女たちも私と同様にぶつかったことで驚いているようだった。

「なっ何っ!?」

すると黒髪のツインテール少女がこちらに視線を向けてくる。

「あれ? もしかしてあんた達も転生者なわけ?」

「へいせいしゃ??」

私は彼女の発言から疑問を持つ。

『まさかこの世界にも転生者がいるのか....いやそれより今はこの二人だな?』

赤髪の少女もこちらを見ながら考え事をしているようだ。

私は目の前にいる三人の女性たちを見て考える。

彼女たちが言う『転生者』とは一体何なんだろうか....

私が何も分からず、戸惑っていると、突然黒髪の女が私に詰め寄り、手を肩に乗せてくる。

「ねぇあなた達、今ここで見たことは全て忘れてさっさと家に帰ったほうがいいわよ」

そう言うと彼女はそのまま走り去っていく。

他の二人も同様にその場から逃げていくのだが黒髪の女だけ立ち止まりこちらを振り返る。

「あなたはどうするの? もし帰る場所がないんだったら私達についてきなさい....」

そう言って女は右手を上げる。

すると突如目の前に巨大な白い戦艦が現れる。

「あなたの能力を使えば家ぐらいすぐでしょう? だから一緒に来なさい」

女の言うように私は自分の能力を使ってみることにした。

確かにあの戦艦であれば人3人は余裕で入れるだろう。

しかし問題があったその戦艦には大量の人たちが乗っているのだ。 その中には私の知り合いも多数含まれている。

この人数を収容するには少し時間がかかるかもしれない....(それにもし収容したとしてもその世界で生きていけるのか?)

そう考えながらも私はその戦艦に向かって歩き始める。

「おい待てっ!!」

男が声を荒げる。

私は振り返ると男は拳銃を構えていた。

どうやら私を撃つ気なのだろう....(やっぱりこうなるよな)

そう思いつつも男から目を離さずにゆっくりと近づく。

私は両手を挙げて抵抗の意思がないことを示しつつ近づいていき、

やがて男の真下まで移動する。

男は引き金を引くことはなかったものの銃口を下ろすことはしなかった。私は両手を挙げたまま男に近づいて行く。

男は少しずつ後ろに下がって行き、ついに壁に追い詰めてしまう。

私は男に手を伸ばす。

そして優しく頭を撫でてやる....(ごめんなお前たちの故郷を守ってやれなくて....)

すると突然私の視界にノイズがかかる。

気が付くと見知らぬ場所で倒れていた....。

先ほどまで外にいて確か黒髪の女に頭を叩かれたところまで記憶がある.......。

おそらく気を失った状態でここまで運ばれて来たのだろう。

体を起こすと辺りを見渡してみる。

そこは先ほどとは違う部屋であったが特に変わりはないように見える。

「ここはどこなんだ?」

「あら目覚めましたか。ここがどこかわからないんですか?

なら教えてあげましょう!」

そう言いながらドアが開くと共に見覚えのある金髪ツインテールの女性が入ってくる。

「お前はあの時の....何でここに居るんだ....?それにお前の姿は一体....」

困惑していると金髪の少女は笑いながら答える。

「あぁ、そういえば自己紹介がまだでしたよね?

初めまして、僕は【白井夢結】です。

そしてあなたが言っていたのは僕の隣にいる人ですよ?」

「え?」

私は慌てて横を見るがそこに人などいなかった。

すると後ろから再び声が聞こえたかと思うと今度は先ほど聞いた声よりもさらに低い声が聞こえてくる。

「よぉ!!やっと目を覚ましたのかよ相棒!!」

「お前は!?」

そこには黒髪ショートヘアーの男性がいた。

私はこの男を知っている。 かつて共に戦ってきた仲間であり、親友である【黒鉄嵐】副隊長にして隊長でもある....。

「お前....【クロガネ アキト】なのか!? 死んだはずじゃ....というかお前もし転生してたのかよ!!」

「えぇそうですよ。死んで転生しました。でもせっかく生まれ変わるなら美人になりたいじゃないですかぁ♪ ということでこの姿になってるんですよ♪」

私は目の前の女性を見て驚く。

「お前って奴は本当に変わらないなぁ.......」

「まぁそれが僕ですから♪ それでですねお二人共どうしてここにいるかなんですけど....実は私今日初めてここに来たんですよね~」

それを聞いて私とアキトは驚愕する。

「なんじゃそりゃぁぁ!!!??」

「なんでぇぇぇぇ!!!!??」

「だってここ結構快適ですしぃ、ずっと一人で居たら退屈じゃないですかぁ....暇だったんで何か面白いことないかなって来てみたら面白そうなものを見つけてしまってつい入っちゃいました♪」

「そんな理由かよ....」

呆れているアキトを無視して私は彼女に問いかける。

「それより君はこれからどうするつもりなんだい? また一から人生をやり直すつもりかい?」

彼女はにっこりと笑うと返答してくる。

「いえいえ、もうしばらくはここに居ますよ。だって面白そうじゃないですかぁ、まだ会ったばかりでお互いのことを知らないんですし..ねぇ、お名前教えてくれませんか?」

そんな彼女の問いに答えてやりながら私は笑みを浮かべる

「あぁそうだね、では改めて私から名乗ろうじゃないか。 私の名は【八咫鏡(ヤタノカガミ)】だよ」

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