神逆の少女

Rear

プロローグ

プロローグ


 とある田舎の町に一人の少女がいた。

少女は両親から腫物扱いされ、町の人からも非道な扱いを受けた。

 理由は、彼女の容姿にあった。

純白の雪を連想させる白い髪に、血のように赤い瞳に、髪と同じ白い肌。

古い風習が抜けないこの町では、少女は嫌悪の対象であった。

 そんな少女には、一人の友達がいた。友達は彼女を庇い異常者として扱われたが、それでも少女を庇い続けた。

 ある日、少女は友達に聞いた。

どうして私を庇うのか?君も町の人に嫌われちゃうよ。と、その問いに友達は、

 「君のその髪も、瞳の色も君の個性だよ。それにすごく綺麗だよ」と、その言葉に少女は救われていた。しかし、災いは意図せぬ形でやってくるものだ。

 ある日少女は、家に閉じ込められた。

少女は家を出ようとするが、家から出ることは叶わない。そして気づけば周りは熱く、黒い煙が少女を取り囲む。

 少女は神様にこう願った。「自分という存在をなくして欲しい」そして、少女の前に神の一柱が現れる。

 そして、少女の願いを叶えようとする。そこに彼女の友達が駆けつける。

神の存在に気づいた友達は、少女が幸せに生きることを願った。

 だけど、その願いは彼女の消えたいという願いと矛盾する。矛盾した願いは、やがて一つの形に結び付く。

少女は生きることになった。しかし、その代償は彼女の友達の存在がなくなることだった。

 少女は神に、友達を元に戻すように求めるが、神はその願いを聞き入れず、去っていった。

残った少女は、泣いた。ただひたすらに、涙が枯れるまで、そして誓う。

神は人を弄ぶ。いたずらに願いを叶え、時には人を惑わし、時には人を壊す。

そんな神はこの世界には要らない・・・。私が、

 「私、神凪御子が、神を根絶する。」

そして、物語の舞台は数年後、一つの学園から始まる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る