罹患者僕の覚めるまで
六畳庵
プロローグ
ゆらり。
彼らが躍るたび、シフォンの尾が揺れる。
てらり。
光を反射して、二つとない模様が輝く。
四方の壁際いっぱいに大小の水槽が並んだ部屋。一番落ち着く場所。僕はその真ん中で寝転がっている。深く水に沈むような感覚。呼吸音。絵の具の匂い。彼女のことを思い出す。
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