『壺中天』或いは佞臣ユーリの奸計:首相という存在を馬鹿にした奴らへのザマぁ展開であったハズ
青村 豆十郎
第1話 表の歌
世界最古の職業は娼婦であり、世界で二番目の職業は王族と言う。
私は三番目に古い吟遊詩人で、一番目二番目を相手に語りをするのが仕事だ。
私が唄う表の歌は次の通り。
昔、昔、あるところに普通の数たちの世界がありました。
そこには偶数の国と奇数の国があってお互いに争いあっていました。
偶数の国のお姫様「2」が奇数の国の王子「7」と、森の奥で出会って恋に落ちました。
叶わない恋。「2」姫は深く深く哀しみます。
しかし知恵のある「7」王子はパリティという本から知見を得て自身の父親「13」王を説き伏せます。
「偶数と奇数を足したなら必ず奇数になるのです」
父親「13」王の許しを得た「7」王子は偶数の国に向かい、衛兵に捕えられます。
そして引き出された偶数の国の「8」王に訴えます。
「偶数と奇数を掛け合わせば必ず偶数になる」
その言葉に何かが剥がれ落ちた「8」王は二人の結婚を許しました。
こうして二つの国はマスマティカ栄えましたとさ。
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