第58話 【ありがとう】

夕方に、なりました。


サングラスたちが、ご飯とお風呂の支度で、忙しそうです。


「今日はお嬢が、地球最後の日かもしれないからって。ゴージャスなディナーをお望みです。また、宴会するとか。私たちも。大歓迎ですよ!」


皆んな、元気だな。


「まだ、風呂の支度、できてないよね?」


万九郎が、聞きます。


「いえ、あちらの来客用のが、用意できています」


「ありがとう」


「お背中は?」


「1人になりたい気分なんだ」


############################


風呂場は、相変わらず、静かです。


身体を流して、お湯に入ります。


はあぁ~~~。


青白い月を、見上げます。


「明日か・・。皆んな、元気だよな。まあ、全員が超人みたいな人たちだけど」


はぁ・・。


「ん?マーティーは、普通っぽかったけど?でも、テレビで時々見るし、やっぱり凄いんだろう」


何となく納得する、万九郎。


月を見上げます。


クレーターが見えるくらいの、距離になっています。


「あそこに行くのか?嘘みたいだな・・」


戦争は、ドクや佳菜たちが、何とかしてくれると、思っています。


「その後か、出番は・・」


さっき見てきた宇宙船を、思い出します。


「意外に広くて、快適そうだったな」


「ん?無重力か?」


いきなり全身、お湯に浸かります。


そのまま潜水状態で、3分後に、お湯から頭を出した万九郎。


「何やってんだろ俺・・。人いなくて良かった」


それから1時間、万九郎は、お風呂で過ごしました。


色んなことを思い出します。


松浦ダム・・。


今でも呼吸が荒くなります。


そして、胸がキュッと痛みます。


「あなたの心を癒す、オロナミンになります」


美香の声が、聞こえた気がしました。


ありがとう美香。


お風呂から上がると、宴会場では、佳菜が千本桜を熱唱中!

明かりが、赤、青、緑に、切り替わっています。


「ドク・・デスますスターをを、もう1つ持ってきてたんだ」


廊下を歩いてると・・人?


アスカが、いました。


「お風呂は、どうだった」


「ああ、良かったよ」


「いよいよ、明日になったわね」


どちらからともなく、見つめ合います。


何か、透き通ったように、見えます。

でも、血の暖かみを、感じます。


アスカ・・。このままアスカが、透明になって、消えてしまったら・・。


息が、荒くなります。


「俺は・・」


涙が、万九郎の瞳から、流れ落ちました。


「頑張りましょうね」


アスカが、言いました。


フッと、気が楽になりました。


「ああ!」


「あとこれ、万九郎、夕食まだでしょ」


アスカと分かれて、寝室に入ると、ご飯を食べます。


おにぎり4つと、沢庵と、多いお茶。


美味しいです。


ありがとう、アスカ。


さああ、ここまで来ました。


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