「Dollze:ハテシナイ物語 」アンソロジー

葉巻のシュータ

第一章 第1話「ある新人の記録」


プロローグ

全てのモノは繋がっている。


君は、この次元についてこれるだろうか・・・・・


「異世界と言われたら、何を想像する?」


彼は、その問いに少し考えてからこう答えた。


「うーん、やっぱり魔法とか、ファンタジーが思い浮かびますね。」


その返答に対して先輩は、「やっぱりな、ははっw 初めてこの課に配属された時は、そんなようにイメージするよなw」


「だがな、これからお前を連れて行くところはな、想像をはるかに超えるところだから覚悟しておけよw」と言った。


会話をしているうちに、エレベーターの扉が開き、この日配属された新人である彼は、初めて自分がこれから働く場を目にした。


なんだこれは、いや、この空間というべきなのか?一瞬、頭に驚きと混乱が押し寄せてきた。


そこには、得体の知れないモノが並べてあり、どれも今まで見たことのないモノであった。


「ほら、行くぞ」先輩に肩を叩かれ我に帰った新人である僕は、歩き出し先輩にアレコレ聞こうとすると、


「確かに、ここにあるモノを見たらあれこれ聞きたくなるわよねぇ。」突然後ろから声がし、振り向いてみると一風変わった白衣?を着た女性?がいた。


「お前がこのフロアにいるのは珍しいじゃないか」と先輩が話しかけた


「ここに配属された新人ちゃんが気になったのと、コレを報告に。」


どうやら先輩と白衣?の女性?の二人は知り合いらしい。


「紹介しよう!今日からこの部署で働く新人くんだ!よろしく頼むよ!」


「あら!そう、これからよろしくね。新人ちゃん」


「先輩、紹介になってないです」


「で、報告というのは?」


「そうね、立ち話もあれだし、この課の館内の見学も兼ねて、移動しながらで」


そうして僕の見学ツアーが始まった。


まず最初にこの課についての説明を二人から聞かされた。


「この課は、俺たちが存在している此処とは違う世界、異世界の安全と秩序を維持することを目的にしている課だ」


「異世界の安全と秩序………」


「そうだ。」


「この世界とは、別の世界での異常、その世界を破壊し得ないモノ、その世界には存在してはいけないモノ、などに対応するためのモノなのだ。」


「あなたが気になっていたここにある得体の知れないモノは、各異世界から取り揃えた、武器や乗り物、医薬品などがたくさんあるの」


「そ……そうなんですね。僕たちのいる、この世界以外にも多くの異世界があるなんて……」


「でも、その異世界の異常とやらは、その世界に住んでいる人達に任せれば良いと思うのですが。」


「確かにそうだな。だがな、中にはどうしても我々が出動しなければならないこともある。」


「というと?」


「異世界間の移動技術を持っているのは俺たちだけではない。それを悪用する輩もいてな、どういう訳か、異世界からのモノは異世界からの訪問者しか通用しないという事だけが、わかっているんだ」


「それもあって私たちが異常を調べなくてはならないってのもあるの」


「なるほど、此処にあるモノはそれに対抗するための力になるんですね!」


「そう言うことだ。」


「そう言うことよ」


さらに説明は続いた、


驚いたことに、僕が所属しているこの課、その名も「異世界公安局 特別捜査課 」は、格それぞれの世界に点在しているそうだ。


各それぞれの世界の仲間たちがお互いの世界を護りあって安全と秩序を保っている。だがしかし、それを乱すモノもいる。


世界は違えど悪人はいつでもどこにでもいるようだ。


「で、報告というのは?」


「それよぉ…新人ちゃんが入ったばかりというのに…」


白衣?の女性?の様子を見るに事態は重いように見える。


「この世界に、この課の支部ができて、他の支部と比べると、日はまだ浅いからなぁ…」


「人員も正直ままならない…」


先輩も頭を悩まさているようだ


此処までの説明の中で世界間の移動技術、此処で一つある疑問が浮かんだ。


「世界間の移動ができるのであれば、時間の中の移動、タイムトラベルというのもできるんですか?」


白衣?の女性?は少し考え込んでいる表情を浮かべながら


「タイムトラベル、確かにその疑問も生まれるでしょうね、でもね、その技術はたとえ作れたとしても、決して実現してはならないことになっているの。」


「なぜです?」


「過去が未来に及ぼす影響は計り知れなく、塵一つの時間軸の歪みが世界を吹き飛ばすほどのエネルギーを発することもあるの、だから、世界間の移動技術を持つような、科学的知識をモノ達からみれば、魔の領域と言われているの。実際、本当に消滅した世界もあるの」


「そんな事が!?」


「ありえないと思うかもしれないが、そうだ」


信じられない、だが、ここまで説明を聞いてこの事実を受け入れ、これからこのような事が当たり前の仕事なのだと改めて実感した。


そして、これから起こる全てのモノ事に、僕は、立ち向かうこととなる。


ーーー「ある新人の記録」ーーーー完

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