第81話 祝勝会
寅影村まで戻って宿屋で少し休憩した後、
飯屋で仙撃チームと祝勝会をすることに。
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丸いテーブルに両チームが座っている。
全員ミツカミサキとの戦いで疲れ果て、
テーブルに突っ伏している。
ただ一人を除いて。
「みんな、どうしたんだ?」
「仙撃、お前はなんでそんなに元気なんだよ」
お店の人が次々料理を運んでくる。
しずくちゃんがよだれを垂らして待っている。
「グラスは持ったな!それじゃあ、ミツカミサキ討伐お疲れ様!」
仙撃の掛け声と共に乾杯。
しずくちゃんが待ってましたと言うように爆速で食べ始める。
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「にしても鳴神さんは本当にすごいですよ!」
仙撃チームの三島がべた褒めしてくれる。
「いやー、そんなことないよー」
「僕の”不可侵領域”でも防げないかもしれません。C組なのが不思議なぐらいです」
続けて東雲に褒められる。
「あなたの能力はA組に相当します。本当になんでC組に配属されたんですか」
國咲が上品に料理を口に運びながら言った。
「確かに、覚醒状態の俺ならA組にだって勝てる気がするわ」
覚醒状態の圧倒的な破壊力、
あれならA組最強の七罪だって倒せるはずだ。
「それで”昇格権”の話だが、どうする?A組の東雲と國咲はいらないんだろ?」
仙撃が言う。
「俺は本当にいらないよ。仙撃と三島としずくちゃんで3枚の昇格権を分けてくれ」
「本当にいいのか?お前がミツカミサキを倒したのに」
仙撃が申し訳なさそうに言う。
「いいよ。それに俺だけって言うかみんなで倒したようなもんだから」
俺は本心からこう思ってる。
「とんだ自己犠牲の精神ですね」
國咲が言った。
「あなたは今回で2回も昇格権の権利を破棄してるんですよ?」
「まあそうだけど、別にいいんだよ。また昇格権は取ればいいし」
俺の実力なら大丈夫だろ。
「・・・今まで順調に来ただけで、これからもそうなるとは限りませんよ」
國咲が俺に厳しくアドバイスをする。
でもその目には俺に対しての心配が見えた。
「で、約束の腕輪だが、鳴神のチームに1つ渡す」
仙撃がつけていた腕輪を俺に渡した。
そういえばそういう約束だった。
「これで俺たちもお前たちも腕輪3つだな。あとはゴールするだけだ」
ゴールするだけ・・・
今日は5日目、残りは1日。
俺はもう今回の縦割りサバイバルをクリアした気持ちでいた。
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