大切なもの
@yutoraru10
第1話 プロローグ
都会の大学を卒業してずっと住んでいた村に帰って来た。実家に帰るより先に行く場所がある。僕の親友がいる神社。僕の大好きな場所。
社の近くにある枝垂桜の下で着ている白い絹のような着物をひらりと揺らして、花が咲くように微笑む彼。
お賽銭箱の前でお賽銭より、お稲荷さん頂戴と少し大きな下駄をカタカタと鳴らして、駄々をこねる彼。
雨の中、赤い番傘を差して雨音をぽとぽと、しとしと、と楽しむ彼。
真っ赤な彼岸花の様な瞳からぼろぼろと涙を流し、僕に微笑んでくれた彼。
僕の大好きな神社には、僕の大好きな親友がいる。僕の一等大切な友達。大事な宝物。
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