第161話 ダンジョンポイント


 ランダム召喚を行う前に、ダンジョンポイントについて知っている事や分かってきたことを整理しておこう。

 実のところダンジョンポイントで召喚できる魔物や宝箱、トラップなどに関してはそれぞれランクやレアリティー、罠の複雑さなどで必要となるポイント量が大きく変わってくる。

 そして、ダンジョンコアたちでさえ知らなかったSSランクの魔物を生み出すのに必要なDPダンジョンポイント量などの情報も最近になって分かってきた。


 現時点で分かっている部分をまとめた情報はこんな感じだ。



<レアリティー別宝箱生成DP>

・白=100~999DP

・緑=1,000~9,999DP

・青=100,000~999,999DP

・赤=10,000,000~99,999,999DP

・紫=1,000,000,000~???DP

・黄=未解放

・ランダム=100,000~最大量まで



<ランク別魔物召喚DP>

・Fランク=1~9DP

・Eランク=10~99DP

・Dランク=100~999DP

・Cランク=1,000~9,999DP

・Bランク=10,000~99,999DP

・Aランク=100,000~999,999DP

・Sランク下位=1,000,000~9,999,999DP

・Sランク上位=10,000,000~99,999,999DP

・SSランク下位=100,000,000~999,999,999DP

・SSランク上位=1,000,000,000~???DP

・SSSランク下位=未解放

・SSSランク上位=未解放

・ランダム=100,000~最大量まで



 まず宝箱のレアリティー。これは宝箱から出現する物を指定する際は、たとえ同ランクであってもアイテムに応じて必要DPに大きな差が生じる。


 ただ、アルスやイルスに聞いたのだが、ダンジョンマスターの居ないダンジョンの場合、ほぼ全てが『ランダム宝箱』というものに設定されているらしい。となれば、中身のレアリティーは冒険者の幸運値によって決まる。といっても本当にランダムに出現するわけではなく、レアリティーに応じておおよその出現確率は決まっているとのことだった。例えば青の武具でさえ出現率は5~6%程度、赤等級であれば1%未満といった具合だ。


 プレンヌヴェルトダンジョンではドワーフ達が作った青等級の武具を宝箱の中に入れていたこともありダンジョン全体でみたときの出現確立は青等級が10~15%ほどである。他のダンジョンに比べて青等級が出現しやすいといった噂が広まったこともプレンヌヴェルトダンジョンが人気になった要因の一つであるだろう。


 こうして確率を数字で見てみると、魔物になってから今までランダム宝箱から複数の赤等級や紫等級を引き当て続けた俺は文字通り“規格外”ということらしい。



 次に魔物のランクだが、SSSランクに関してはまだ必要ポイントが分かっていない状態であり、コアたちに聞いてもその条件は分からなかった。何がきっかけでこれが解放されるのかも不明だが、SSランクの魔物が解放されたのはヤオウが推定SSランクに進化した後であることを考えれば、何となく条件は見えてくる……。


 恐らくは“そのダンジョンに所属している魔物の最高ランク”、“所属している魔物や従属者の数”、“所持した事のある最大DPの量”のいずれか、もしくは全ての条件をクリアすることなのではないだろうか。

 まぁ、これはもっとダンジョンポイントを稼ぎつつ星覇というクラン全体が強くなっていくことで明らかになってくるという確信がある。


 最後に罠に関してなのだが、実はそこまで詳しく精査ができていない。今後ネルフィーに色々教えてもらおうと考えているくらいだ。

 というのも、トラップの設置に関しては必要DPも本当にピンキリなのである。しかもただ設置するだけでもDPを消費するだけでなく、“発動のトリガー”や“罠同士のリンク”などを行うこともDP次第で可能となるようだ。俺の場合、今まで罠の設置は簡易的な物しか行ったことが無く、種類や解除方法に関しての知識も乏しい。

 であるならば、それらに詳しく幻影城2階層の作成で大量の罠の設置を行ったネルフィーに教えてもらった方が理解しやすいだろう。



 DPについてはこれ以外にもフロア生成やフロアの環境変更などにもDPは必要となってくる。

 ドレイクは、環境設定に多くのDPを費やしその環境に合わせた魔物を選定していたし、ネルフィーは罠設置に大量のDPを使っていた。また、シンクは多くの魔物を召喚し、生み出した魔物それぞれに装備可能な武具を与えようとしている。

 シンクが「ポイントが足りない」と言っていたのは武具のレアリティーもある程度高いもので揃えたいという気持ちがあっての事なのだろう。



 かなり話は逸れたが、今回ランダム召喚を行う一番のメリットとしては、未開放のランクに関しても出現する可能性が秘められているというところだ。


 ただこれは、正真正銘の博打・・だ。『10億DPを使用してFランクの魔物が召喚されました』なんて事になったらガチで笑えない。

 あー、でも俺も最初はFランクのゾンビだったのか。じゃあ……別にソレでもいいのか? うーん、色々考え過ぎて訳分かんなくなってるな。まぁ、やってみれば分かる事もあるだろ!


 色々と小難しいことを考えていたが、やっぱやるなら派手に行かないと面白みに欠ける。

 ってことで、ランダム召喚やってみよっ!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る