第三章 辺境都市レクリア編
第24話 第二回迷宮魔改造会議
スタンピード終結から3日後、バルバルにはレクリアで情報収集や買い物などを行っていたが、一度情報共有の為にレクリアから戻ってきてもらった。
「みんなお疲れさん。特にバルバルは数日動きっぱなしだっただろ。
フォレノワールにバルバルの部屋も作っておいたからこの情報共有が終わったらゆっくり休んでくれ」
「ありがとうございます! でも夜はしっかり寝てましたし、みなさんと目標に向かって動くのは楽しいので大丈夫ですよ!」
「そうか。あんま無理はすんなよ? じゃあさっそくバルバルから、街で得た情報を話してくれ」
「わかりました。
まず、みなさんもご存じだと思いますが、SランクとAランク冒険者のパーティーによってスタンピードは止まりました。
そしてダンジョンコアの事はアウンさんの予想通り秘匿されています。
ダンジョンコアの事を知っているのはボスを撃破した2パーティーのメンバーとギルドマスター、それと国の上層部のみだと思われます」
「やっぱりそうなったか。好都合だな」
「次に、ボスを討伐したパーティーと逸早く情報提供した私に特別報酬がもらえるそうです。
希望を聞かれましたので大容量のマジックバッグをお願いしておきました。
商人としても今後の計画においても必要だと判断したのでそうしましたが、良かったですか?」
凄いな。今からお金を渡して買ってもらおうと思ってたが、全部手間が省けてよりレアリティーの高いものが手に入りそうだ。
「さすがだな! 問題ないどころかこれからバルバルにお願いしようとしたのを先にやってくれた事になる」
「それなら良かったです。
最後にですが、ギルドから冒険者に今回のようなスタンピードが起きないようにダンジョンを見つけた際は定期的にそのダンジョンにモンスターの間引きの依頼が出るようになるそうです。
ダンジョンのシステムなどは知られてないですが、あながち対応としては間違ってはいませんね。
あ、あとアウンさんとキヌさんの事が冒険者の間で話題になってましたよ! 『やたら強い旅人が居て、討伐を手伝ってくれた』って」
これも思惑通りに行ったな。
今なら街に入って排除される事はなさそうだし、最悪【銀砂の風】の名前を出せば荒事は避けられそうだ。
「そうか、すべて順調で怖いくらいだな。情報収集ありがとな。聞きたいことは大体聞けた」
「はい、引き続き情報収集はしておきますね」
「んじゃ、次は俺からだな。
まずダンジョンに関しては今回のスタンピードが蒼緑平原まで及んでいたからかプレンヌヴェルトの方にも大量のダンジョンポイントが入ってきた。
この増えたポイントでダンジョンの拡張を行なって、現在8階層まで作成することができている。
7階層にレッドオーガ、8階層のボスに牛頭鬼と馬頭鬼を配置してあるから攻略自体は中級者以上になると思われるが、2階層から5階層はEランクの魔物を配置してあるから初心者でも探索できるレベルに調整してある。
次に1階層にあたる獣人村だが、こちらもこの数日で安定してきてる。
蒼緑平原のモンスターも問題なく戦士たちが狩れてるし、食糧事情も大丈夫そうだ。
あと、俺から獣人たちに商店と宿屋に使える建物を建ててもらえるように依頼してある。
そしてダンジョン2階層への入口を作るのはおよそ半月後を想定してる」
「順調じゃな! して、今後はどのように動けばよいのじゃ?」
「アルスはこのフォレノワール迷宮の入口を閉じ、クラン拠点の作成に動き出してくれ。
イルスはダンジョンポイントの貯まり方を見ながらプレンヌヴェルト迷宮の拡張を行なってほしい。
最終的には50階層を超えるダンジョンを目指すつもりだからな」
「わかったのじゃ」
「了解したでござる」
「バルバルにはやってもらう事がたくさんある。
まず、プレンヌヴェルトに商店と宿屋を開いてほしい。
今後、冒険者が増える事やダンジョン攻略を行うことを考えると大きな黒字を出すことができるだろう。
初期投資に必要な費用は俺が冒険者だった時に貯めてた金があるから、それで賄えるはずだ。
それと同時並行で、獣人族やこの村の代表者にもなってもらいたいと考えている。
これは村長のメルメルからの打診でもあるんだけど……任せてもいいか?」
「うわぁ、大変そうですね……でも頑張りますよ! その方が、色々都合が良さそうですしね!
ただ、数人獣人族から補助要員を付けてもらいたいのですが、良いですか?
もちろんアウンさんの秘密は話しませんが」
「それは任せるよ。優秀そうな人材を見繕って決めておいてくれ」
「ありがとうございます。さっそく動き出しますね!」
「少しは休めよ?
さて、最後は俺とキヌだ。
今からレクリアに行って冒険者登録をする。そしてひとまずの目標はBランクだ。
Bランクになればクランの立ち上げができるようになるからな!」
「ん。すぐに行く?」
「そうだな。向かおうか」
こうして情報共有も終わり、俺とキヌはいよいよレクリアの街に向かう事となった。
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