第10話 老いはてて惚けはどんどん進めども喜怒哀楽は枯渇せずとふ

  老いはてて惚(ぼ)けはどんどん進めども喜怒哀楽は枯渇せずとふ(医師脳)


「クスリはリスク」という。

 その一つに〈薬剤性認知症〉がある。


 老健施設長としての個人的経験だが、持参薬を少しずつ調整していくなかで(施設の環境に慣れることもあり)食欲が出てきて、かつての愛すべき「ボケ婆ちゃん」に戻ることが多い。

「それでいいのでは?」と爺医は思う。

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