第39話 本場のインド洋のマグロ
今日のお昼は、エリータレストラン。シーフードを食べるならココ!とのこ
とで、何としてもインド洋のマグロを食べてみたかったから、こちらにした。
お店はフォートの中心地にあるし、外国人のお客さんしか会いないからすぐわかった。
中国人客が多いのだろう。中国語表記のメニューも当然のように置かれていた。私はアメリカ人の家族の隣の席に案内された。メニューを見ても、何が何だかよく分からなかったため、隣のご家族が食べていたものをチラ見して、子どもさんが食べていたマグロステーキをオーダーした。
トイレを借りて一息ついたら、すぐにマグロステーキが登場した。事前に焼いてあったのではないかと勘ぐってしまうほどの早さだった。
マグロステーキは手のひらサイズで、厚みもあり、結構なボリューム。旅行中は疲れが溜まってきて、あんまり量が食べられなくなるものだ。付け合わせのポテトとサラダも量が多く、ワンプレートだけのオーダーにしてよかったと心底思った。
味は抜群。インド洋の荒波にもまれたマグロは身がしまっていて味が濃い。新鮮で生臭くもない。正直、私はマグロが苦手なんだが、これは本当においしくいただいた。サービス料込み、2,178ルピー。ご馳走様でした。
まだ帰りの電車の時刻までまだ少し時間がある。食後のお散歩を兼ねて、戦争記念碑をチラ見してから新市街へ向かった。新市街は旧市街と違い、少し近代的な建物も顔を覗かせる。バックパッカーが愛するゲストハウスの類は、こちらの方に多く点在しているらしい。とりあえずラクサラという民芸品を扱ったお土産屋さんに顔を出してみた。こちらの店は政府の直営店だからお値段は高いけど、品物は確かに良かった。
あとは見どころがそんなになさそうだったので、さっさと駅方向へ向かった。途中、駅前の商店街にあった、フードシティスーパーに立ち寄った。フードシティはスリランカ中、どこでも見かける。チェーン店なのだろう。ここではアイスと飲み物とお菓子を購入。九五ルピー。庶民的なスーパーだったようだ。
買ったばかりのアイスをしゃぶりながら、駅へ向かう。
その道すがら、「世界ナゼそこに?日本人」のロケをしているスタッフを発見
した。暑い中、女性ディレクターがスリランカ人ガイドと一緒に現地の人にインタビューをしながら、一生懸命ロケをされていた。
この日、37度。14時から15時は一番暑いからほんと散策も大変だ。
電車の出発は15時35分。20分にはホームに入線するというので、早めにホームに入り列車を待つことにした。
ゴールの駅はレトロそのもので、時刻表は手動式。世代でものを言うのも失礼だが、算数セットの中に入っていた時計(時計の勉強するグッズ)と同じなのだ。懐かしい。列車の本数も少ないから、電子化しなくても事足りるから、わざわざ電子化しないのだろう。
戦前の日本を思わせる空気が駅構内に充満している。
駅員さんは3名。ゴールからコロンボまで、2等車180ルピー。1等車に乗りたかったのだが、ないと言われて断念。乗車するのはコロンボフォート行、急行列車。一番乗り場から発車だ。時間帯によって急行だったり鈍行だったりするらしいが、この時間は急行だった。
一番ホームの向かいのホームには、疲れ切った列車が止まっていた。ほんと動くの?大丈夫?って声をかけたくなるくらい年を取った車両だ。扉が開けっ放しで開放されていたため、列車を待っている欧米旅行客は中に入って撮影に興じていた。私も中に入り、欧米人に交じり撮影を楽しむ。この列車も1等車を連結していなかった。誰も買わないのだろうか。だから連結していないのか。スリランカ滞在中、最後までお目にかかることはできなかった。
2等車と3等車は椅子の質が違うだけ。2等車はふかふかの椅子だが、3等車は木の椅子だ。窓の大きさやなんかは一緒。ドアが閉まらないことも同じだ。
ゴール駅には待合室もあるのだが、男性専用、女性専用と分かれていて、イスラーム的だなと言う印象を持った。私が男性専用の休憩室に入ってシャッターを切っていても何のお咎めもなかった。現地の人だけ分けているのだろうか。
15時20分に列車が入線してきた。海岸路線の列車は予約できないが、入線前にホームにいれば十分席は確保できる。
ともかく私はこの列車に乗りたかった。なぜなら海岸線を走る列車だから。
そして15時台に走る列車に乗りたかった。もちろん行くときもバスは海岸線を走ってくれたけど、見たい風景はやはりサンセット。
ちなみに行くときに列車に乗っていたら漁をしている姿とかが拝めるという。
コロンボフォートからゴールに向かう際は右側の席を確保するのが鉄則だが、帰路で海岸を見るには左側の席を確保しなければならないので、列車が入線してきたと同時に、欧米の観光客に交じって動いている列車に飛び乗った。
15時45分、定刻から5分ほど遅れて列車は欠伸をしながら、ゆっくりと動き出した。
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