朝
水沢朱実
第1話
朝が来る。
キッチンに立ちながら、窓からの日差しを受け止める。
冬の日差しは暖かい。
焚火のような暖かさがある。
コードレスのイヤホンを耳に差し、スマホをワゴンの上に置く。
セリーヌ・ディオンの歌声が、優しく耳に響く。
コードレスに頼りすぎて、スマホを見失ったのは、他の人には内緒だ。
前の日の夜の皿を片付けながら、今日も今日が訪れた、と思う。
一日一日を、感謝しながら。
今日も私は一日を始める。
電気釜のスイッチがオンになる。
さて、食事の支度は父の役目だ。
父の起きて来るのを待とう。
朝 水沢朱実 @akemi_mizusawa
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