ムクノキ
水沢朱実
第1話
BGMを流すみたいに、母のことを考える。
聴いていて苦しいのに、何故か流すことをやめられない。
鮮やかに響き渡るのは、暑い夏の日。
私を笑顔にしようと、散々苦心して、カメラのシャッターを切る母。
あの日と同じ夏の日。
笑顔で振り向いても、もう母はいない。
悲鳴のように響き渡る声。
早く帰ってきて。お母さん、お母さん。
BGMを流すみたいに、あなたのことを考える。
暑い、輝くように晴れた日に。
お母さん、あなたに会いたい。
ムクノキ 水沢朱実 @akemi_mizusawa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます