とある文藝部員の遺書
鹿衣 縒
向日葵
封筒にいちまいの花びら はらはらとおちる
封筒ににまいの花びら 目のさめるような黄
封筒にさんまいの花びら 蚊取線香が煙に巻く
封筒によんまいの花びら 白雨に濡れて
封筒にごまいの花びら 束の間の延命措置
封筒にろくまいの花びら 密かにかおるエタノール
封筒にななまいの花びら それは 文字のない手紙
封筒にたくさんの花びら それは
ともすれば、
はらはら はらはら
はらはら はらはら
はらり。
封筒に1枚の手紙 悴んだ明朝体
「あぁ、秋が来てしまった」
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