第18話
「えーと、その写真はどこで入手したのでしょうか・・・?」
「友達から送ってもらったの。なんかお兄ちゃんが彼女っぽい美人な人と一緒に勉強してるって連絡来たから・・・証拠として写真撮ってもらったの!」
盗撮じゃないか?という疑問はさておき俺は彼女の頭の中にこびりついている前提を崩すよう真っ当な反論を探す。
「いや、別に今日俺が花園先生とあった理由は花園先生に勉強を教えてあげるためであって、そんな恋愛的な要素は全くないぞ!!てか、仮に俺と花園先生が付き合ってても天舞音には全く関係ないんじゃないか?
「えーと、その・・・・まあ、あれだよ!あれ!スキャンダル的な?!Vtuberが普通に恋愛しているのバレちゃったらガチ恋勢の人が泣いちゃうよ!!」
「いやいや、俺はまだそんなにファン居ないし、スパチャ総額は未だに村松から送られてきた300円だけだぞ・・・ガチ恋勢なんているわけないだろ・・・」
俺は若干自虐しつつも天舞音に正論をぶつけた。
「確かに今はいないかも知れないけど、いつかできるかもしれないでしょ!!」
「そうかもしれないが・・・なんで俺と花園先生が付き合っている前提で話を進めているんだ?」
「え、あの、もー!!!わかったわよ!付き合ってないんでしょ!!」
ここまで言うとさすがの天舞音も俺の言葉を信用したのかそう言って彼女は去って行った。
すると、すぐに天舞音からメッセージが送られた。
『あと1時間ぐらいで勉強配信するから見る準備しといて!!』
俺はわかりましたよとばかりにすぐに夕食と入浴を済ませ、パソコンの前に向かった。
それから約10分後、天舞音の配信が始まった。
「どうも~、皆さんこんにちわ!こんばんわ!今日も響け琴の音よ!!Voice所属のバーチャルライバー、姫乃琴音です!!」
「今日は~、【~English Study~英語の勉強始めました!!①】ということで、さっそく英語の勉強を始めていきたいと思いま~す!!」
そう言って天舞音は配信画面に数問の文法問題を映し出した。
「今日勉強するのは・・・・関係詞!!これさえわかればきっと英語ができるようになるはず!」
(天舞音のやつ、最初から関係詞はマズくないか?)
さすがに心配になってきた。
『初手から関係詞は草』
『なんで関係詞からなんだよw』
『最初は簡単な英単語からだと思ったけどこれはこれで面白いw』
などなど、意外にもリスナーからの受けは良かった。
これくらいの破天荒さはVtuberには必要なのかも知れない。
「じゃあこの問題からいくね!」
天舞音は次々と問題を解いていった。
たまにリスナーの助けを借りる時もあったがだいたいの問題は自力で解いていた。
そう、天舞音はなんだかんだ地頭は良いのである。
おかげで配信に勉強時間を奪われてもそこまで勉強に困っていない。
全く羨ましい限りである。
そこから2時間、天舞音はテスト範囲に該当する問題を一通り解き終えて配信を終えた。
すると、急に天舞音が俺に部屋に来ても良いかというメッセージを送ってきた。
もちろん俺は承諾した。
そして、彼女は俺の部屋の扉をノックする。
俺の部屋に入って来た天舞音は何冊か参考書と問題集を持っていた。
「お、お兄ちゃん・・・勉強会の第2ラウンド始めない?」
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