『終幕』

「それで?警部さんはどこからこの事件を考察したいの?」

 写真家がエントランスホールを後にしてから、若干気まずくなった場の空気を和ませるようにモデルが警部に話を振った。警部は一度腕時計で時刻を確認してから、ゆっくりと話し始める。

「正直に言おう。そもそも俺は今回の事件、最初に脚本家の部屋を調べた時から、犯人の用意周到さに焦ってた。仮に犯人が殺人を計画していたら、確実に標的を殺す用意を周到に整えてから俺を呼んでいる。そんな予感がした。俳優の文章を見た時も、自演だなんて思ってなかった。ただあの時はまだ脚本家が死んではいなかったから、一連の出来事が全てこの文化荘特有の悪質な悪戯である事に一縷の望みを賭けてたんだ。だが予想通り、犯人は予め全ての段取りを完了させてた。殺す標的である相手を確実に葬れる状態にしてから舞台の幕を上げたんだ。トロフィーの衝突音や俳優の文章を使うことで、既に終わってる出来事がまだリアルタイムで進行しているように見せ掛けてな。一応茶番に付き合ってはみたがこういう事件は正直、お手上げだ。後の祭りさ。相手は既に目的を達成してて、俺達が見せられてるのは、ただ真犯人に容疑が掛からないようにする完璧なアリバイを作る為に用意されたシナリオなんだから」

「おいおい警部さん、随分弱気だな……それにガラにもなくお洒落な言い回しするじゃんか」

 料理家が茶々を入れると、警部は不敵な笑みを浮かべた。

「まぁな。長い間、天才肌の芸術家共に振り回される無教養な無能警官……なんて役回りをしてた所為で、いつの間にか毒されちまったかな。話を戻すぜ。要は今回の事件は始まった時点で既に終わってたんだ。という事は今日、俺達の体験した出来事に読み解くべきものはなにも無い。代わりに重要になってくんのは実際の犯行時刻だ。あれだけ大掛かりな細工を部屋に仕掛けるには少なくとも準備だけで数時間、更にそれを確実に作動させる為にも何度か試して挙動の確認をしなきゃいけなかったはずだ」

「確かにそうだよねぇ……力になれなくて申し訳ない」

「恐らく時間帯は昨日の夜か遅くても今朝、それも早朝からゴタゴタとやってたはずだ。頼みの綱の音楽家にはもう聞いたんだが、晩飯の後は朝まで眠ってて不審な物音を全く感知できなかったらしい。だからモデルさんに聞こうと思う。昨日の夜中から朝までずっと部屋に居たんだよな?隣の部屋から何か変な音とかはしなかったかい?」

「そう言われても、アタシは昨日ぐっすり……というか、いつも通りぐっすり寝てたのよねぇ」

「なるほど。ところで昨日は、晩御飯を食べたかい?」

 モデルは当然という風に頷いた。

「えぇ、食べたわ。昨日はシチューだったわね、スープ系は珍しいと思ったけど、いつも通り美味しかったわよ」

 警部は満足そうに微笑むと、次の質問を投げ掛ける。

「そりゃあ良かった……食べた後はすぐに寝たのかい?」

「そうね。昨日は疲れてたのか、やけに眠気が早く来たからそのまま寝ちゃったわ。いつもはレコードでも流しながら、お酒を片手にゆったりと夜を過ごすんだけど」

「ほう、モデルさんは確かお酒は強かったよな、珍しい……」


 そんな調子で暫く警部とモデルの応答が続いた。するとそのうち、料理家が眉間に皺を寄せて唸ったかと思うと、いきなり立ち上がってけたたましく叫んだ。

「おい!黙って聞いてりゃ当てつけみてぇに……やっぱり俺の料理に睡眠薬が入ってたって言いたいのかよ⁉︎さっきはモデルが怪しいって言ってたじゃねぇか!」

 警部は料理家の反応を予測していたようだ。憤る彼を一瞥すると、慌てる様子もなく落ち着いて言葉を続けた。

「うむ、考えたんだが……やはりこの事件の犯行はモデルさんには不可能じゃないかと思うんだ。仮に俳優が自殺に見せ掛けて殺されたとすれば、あの体躯の男を一先ずどっかに吊り上げなきゃいけねぇ。女性には到底、無理な仕事だ」

「共犯だったらどうなんだ?ここの奴らは、彼女の頼みなら大抵聞くぜ?」

「仮に共犯で男手があったとして、まず音楽家は無理だな。体重も力も足りん」

「よく分かってるねぇ……オレはヴァイオリンより重いモノは持てないよ、ビオラでギリだから」

「残りは俳優を自由に動かせる脚本家が怪しいが、死人に口なし……立件出来るかすら怪しい。その場合は完全犯罪かも知れんな、被疑者死亡で真犯人は雲隠れさ。けどなぁ、それはあり得ないんだよ。考えてもみろ、あの脚本家だぞ?自分が共犯に誘われて事件の為に台本を書いたとする。そしたらいくら言葉巧みに操られていたって、相手が自分を殺そうとしてる事もプロファイリングしちまうんだ。自分が殺されると分かってて話に乗る奴がいるか?」

「どうだかね。死んでも尽くそうって考えてたかもしれねぇぜ?」

「だとしたら端から潔く死ぬだろう。あのトロフィーの一撃が調整されていた辻褄が合わんさ。とにかく俺はこれ以上この場所で人死にを出したくねぇんだ。だから万が一を考えてモデルさんの命を守る事を最優先した。彼女を疑ってると言えば、この場に居る黒幕が、俺の見当違いの推理披露に合わせて犯行を遅らせてくれるかもと期待したんだ。大体残り十五分。警察が到着する時間まで犯行を引き伸ばせれば、もう誰も死なずに済む」

「ちょいと長い気もするねぇ……どうするの?拳銃とか出されちゃ対応出来ないでしょ?」

 音楽家がのんびりと欠伸をしながら尋ねると、警部は答えた。

「俺は黒幕が最後の犯行を起こす前に自首させるつもりだ。それには明確に疑ってるって牽制と、これ以上は動いても不利ってことを自覚して貰う必要がある。まぁ説得だよな。今のところ手応えはねぇが……料理家よ、どうにか白状しちゃ貰えねぇか?」

「ちょっと待てよ!なんで俺様になるんだよ!」

「心強いな……ボクも警部さんと同意見ですよ」


 料理家が反論しようとしたところで、配達員たち現場組一行が戻ってきた。三人が席につくと、出鼻を挫かれたのか料理家も席に腰を下ろした。配達員が喋り始める。

「ボクら、俳優さんを自殺に見せ掛けて殺す方法に関して一応の推定を済ませました。そこから今回の事件の肝に、やっと辿り着けた気がするんです」

「ほう。聞こうじゃねぇか」

「まず殺害方法ですが、俳優さんは気絶させられ首にロープを掛けた状態で、天井近くに設置された疑似的なハンモックに寝かされていた。時間経過で身体の支えが緩んでいき、首吊りの状態へと移行していくような仕掛けだったのではないかと。一応、新米警官さんに簡単な計算とシミュレーションをして貰った結果、糸の長さから約八時間は保たせる事が可能なようです」

「なるほど……推理小説の小細工みたいなものに関してはオレはあまり詳しくないんでな。お前さん達に捜査させて正解だったみたいだ」

「ありがとうございます。次に料理家さんにお聞きしたいんですが、この屋敷での食事は全て貴方が作り置きしたものを冷蔵庫に入れて、それぞれの住人に対して分けて用意しているらしいですね。厨房に監視カメラとかは付いてないんですか?」

「ないよ。そんなもん……俺様の調理法が下手に流出したら大変だからな」

「なるほど、ではもう一つ。料理を作る時間って決まってましたか?」

「いや、特には決まってないが……昨日は朝には大体作り終えてたな。昼に仕事に出て、午後十時頃戻って脚本家と俳優の夜食を作って十一時には寝たよ。今日の昼飯は今朝の早朝に作ったやつだ」

「なるほど。では昨夜十一時以降この屋敷に居た住人なら誰でも、脚本家さんと俳優さんの料理に睡眠薬等を混入させる事が出来たという事ですね。ところで早朝って何時くらいですか?」

「……六時くらいかな。言っとくが俺様は耳はそこまで良く無いからな。厨房の中は調理音で満たされるし、一〇五号室と隣り合ってても音は聞こえたことがない、ここを出る時は部屋から玄関に直行したし、怪しいもんも見てないぜ」

「そうですか……では、貴方がその時間帯に厨房で調理をしていたと証明できる人はいますか?」

「調理してなきゃ今日の昼に料理なんて出せないだろうが!」

「夜の間に調理を済ませて、朝には別の作業をしていたのでは?」

「そんなん証明出来ねぇよ!他の奴らが寝てたってのも誰も証明できねぇだろうが!」

 料理家が捲し立てると警部の携帯の着信が鳴る。

「おっと、失礼。続けててくれ……おう、どうだ?ほう、それで?」

 警部は静かに頷いて部下からの報告を聞いている。緊張で静まり返ったエントランスホールで、その時間は果てしなく長く感じられた。


「なるほど分かった。御苦労さん」

 警部は電話を切ると、戻って円卓を見回しながら尋ねた。

「すまん、待たせた。画家の親類についてだが、どうやら彼女に親族は居ないそうだ。赤ん坊の頃から石川県の児童養護施設で育ったらしい。これで黒幕が部外者だって線も消えたようだが……さて、怪しいのは誰だ?」

 ボクは慎重に答える。

「不定期な時間で提供される料理に、誰かが手を付ける前から確実に薬を盛ることが出来て、更に一連の事件が発覚する時に最も強いアリバイを持つ――例えば、現場に居なかった人物……」

「当時、文化荘に居なかったのは料理家さんだけっすね」

 新米警官が手帳を読み上げると、料理家が慌てて否定する。

「おいおい違うって!事故ったせいで帰宅が遅れただけだ、アリバイ工作じゃねぇよ!時間通りなら俳優が自殺する時にはこの場に居たんだ!睡眠薬の件も知らねぇ!俺様は無関係だ!」

「時間通りってのは?現場の発見に間に合うよう時間を調整するつもりだったのか?」

「うるさい!俺様はやってねぇ!」

「本当にやってないんだな?」

「あぁ、きっと黒幕の仕業だ!こうやって疑いが俺様に向けられるように仕向けたんだ……もっと慎重になってくれよ!最も強いアリバイって言ってたが、疑われにくい状態なら次の標的に指名されたモデルだってある意味じゃ、一番強いアリバイを持ってる事になるじゃないか。寝てたってのも本当かどうか分からないぜ。他の奴らが言うことはそのまま信じて、俺様の話だけ信じてくれないのはフェアじゃないだろ?」

「……分かった。じゃあフェアにいこう。実は脚本家の死因は特定されてるんだ、テトロドトキシンによる中毒死と判明した。そして脚本家が死んだ病院の駐車場の監視カメラ、そこの映像記録に料理家さん、アンタの車がばっちり映ってたそうだ」


 警部のトドメの台詞を聞いて、音楽家、写真家、モデルの目線がゆっくりと料理家へ集まる。警部の話から、事実を理屈では理解していても俄かに信じ難いといった様子である。皆、彼がいつもの様に戯けながら反論し、どうにか取り繕うのを心なしか願っているようだ。しかし彼の反応は冷たいものだった。

「ふん、ウゼェな……そこまで知ってんなら遠回しな言い方すんじゃねぇよ」

「すまん、どうにか自白して欲しくてな。その返事は容疑を認めたって認識でいいのか」

「あぁそうだよ。脚本家も俳優も俺様が殺した……フグの毒ってバレないんじゃなかったのかよ、抽出するの大変だったのに」

「料理家さん、嘘でしょ?ねぇ、嘘って言ってよ!どうして……」

 堪え切れなくなった写真家が泣き崩れる。料理家は静かに語り掛けた。

「ごめんよ、写真家さん。けどまさか俳優の首吊りトリックまで看破されるとは思わなかった。凄いよ君達、完敗だ。眠らせた俳優を脚本家と二人掛かりで引っ張り上げたのさ。本当に大変だったぜ」

「俳優さんの体重からして、あの仕掛けを完成させるには複数人の協力が必要だとは思いましたが、脚本家さんが共犯者だったとは……」

「まぁね。共犯よりも利用したって言った方が正しいかな、彼は画家の内面を描写出来なかった事で、自らの才能に不安を抱いていた。彼女の自殺に関して知ってることがあると言ったら、すぐ飛び付いてきたよ」

 最早、あの馬鹿馬鹿しく騒ぐ料理家の面影は残っていない。そこに居たのは冷静沈着で怜悧な犯罪者であった。次に警部が訊ねる。

「毒を抽出したって言ったが、どこでそんなこと憶えたんだ?」

「あぁ。それは昔、画家さんから教わったんだよ」

「画家に?」

「頼まれて色んな薬やら毒やらを作ってたんだ。芥子やらトリカブトみたいな危険物でも、俺様なら食品加工の名目で取り寄せることが出来た。彼女はいつも喜んでくれたっけ」

「一体、画家は何の為にそんなことを?」

「最初の頃は、絵の具の材料に必要だって名目だったが、明らかな毒物を欲しがってからはそれも嘘だって分かったよ。多分ただのコレクションさ。小瓶に入れて飾るんだ」

「インテリアなら、本物じゃなくていいだろう」

「分かってないねぇ……コレクションってのはそういうもんなのよ」

 イラついた警部によって会話の趣旨がズレ始めているのを感じたボクは、堪らずどうしても聞きたかったことを訊ねた。

「一体、動機はなんですか?」

 料理家はギロリとこちらを睨む。

「わからないのか?画家の……探偵の役割を与えられておきながら」

「分かりません。人を殺す事で解決することがあるんですか?」

「画家の無念を晴らせたかは分からんが、俺様の気分が少しは晴れたね」

「貴方は画家さんの自殺の原因を把握していて、その報復をしていたってことですか?」

「その通り。アイツらのせいで画家は死んだんだ。そもそもあの舞台――『手繰り糸』の描写は、性同一性障害の当事者にとっちゃ無神経過ぎた。繊細な問題をあんなコメディに仕立てやがって……あの舞台の後、彼女は目に見えて不安定になっていた。俺様はアイツらに、表現には常に責任が伴うって事を教えなきゃ気が済まなかったんだ」

「なるほど。ボクはてっきり、今回の事件は過去の真相を探る為に起こされたものだと考えていました。だから黒幕は、その目的を達成するまでモデルさんを殺さずにいるんだろうと……予想は外れたみたいです。しかしそれにしては随分と落ち着かれてますね。モデルさんを殺さなければ復讐は果たせないのでは?」

「なんだ、そんなことか……俺様の計画は常に完璧なんだ。昼に提供した料理に既に毒は入れておいた。きっと時間になれば苦しまずに死ねるよ」

「まさか、皆殺しにするつもりっすか⁉︎」

 新米警官が怯えた声を上げると、料理家はおかしそうに笑った。

「落ち着けよ。俺様は無差別殺人がしたいわけじゃねぇ、個人メニューに入れたんだ……てことで悪いなモデルさん、綺麗に食べてくれてありがとう。もう少しで楽に死ねるはずだ。あの世で画家さんによろしく伝えておいてくれよ」

 料理家は勝ち誇った顔でニンマリと笑う。ボクが思わずモデルさんの方を見ると……彼女は静かに笑っていた。警部さんがポツリと呟く。

「そうか、それを聞いて安心したぜ」

 彼がゆっくりとコートを捲ると、中から膨らんだポリ袋が現れた。中央にピザのロゴが見える。

「あ!それは……」

「悪いな、勝手に使わせてもらった……中身はモデルさんに提供された料理だ。この状況で彼女が殺されるとしたら毒殺なんじゃねぇかと踏んで、彼女に出されたメニューは全部この中に捨てて貰ってたんだ」

「流石の読みだわぁ、警部さん。命の恩人ね」

 モデルは警部にキスでもしそうな勢いで抱き着いた。

「がははは!ま、そういうこった。あとはこいつを鑑識に回して毒が検出されりゃ物証付きで一件落着だ。料理家よ、残念だったな。三人殺すと死刑の可能性が高まるんだ、俺に感謝してくれてもいいぜ」

「嘘だ!そんなポリ袋に?なんの匂いもしなかった……まさか!」

「その通り。一番匂いの強い料理をわざとコートに掛けたんだよ。お前さんの効きすぎる鼻を誤魔化す為にな!」

「そんな……そんな……」

 料理家は茫然自失といった表情でブツブツと絶望の言葉を繰り返す。それを見てその場の全員が、事件の終息を悟った。

「画家よ、見てるかぁ!お前さんが居なくても俺はやり遂げたぞ!最後だけは阻んでやった!」

 警部が涙目になりながら勝利の雄叫びを上げる。パトカーのサイレンが近付いてきた。気付けば不穏な雨雲は去っており、天窓からは柔らかな陽の光が差し込んでいる。

「失敗した……モデルさんを……殺せなかった……」

 ガックリと項垂れる料理家に、モデルが声を掛ける。

「俳優さんのメモにもあったけど、きっとアナタは解釈違いをしているわ。確かに画家さんは肉体と精神における性の不一致を訴えてはいた。けれど彼女は、あの舞台を曲解するような思慮の浅い人間じゃないわ」

「そう言うけどモデルさん……アンタも彼女が自殺した本当の理由は分からないんだろう?」

「えぇ、分からないわ。けどあのコが馬鹿じゃないって事は知ってる」

「難しいねぇ……そもそも、君が彼女の死をあの舞台が原因だと今になって結論付けた根拠はなんだったんだい?」

「それは……」

 音楽家の質問に答えようと料理家が話し始めたときだった。

「ぐっ!」

 突然、呻き声と共に音楽家が仰け反り、椅子ごと床に倒れ込んだ。

「音楽家さん⁉︎」

「おい!どうした!」

「まさか……嘘だろ」

 写真家が後退り、警部が駆け寄る。料理家は信じられないといった様子で呆然と座り込んでいた。音楽家の症状を確認しながら警部は怒鳴った。

「おい、料理家!お前、一体どの料理に毒を入れたんだ!」

「知らない、俺様は、本当に……」

「早く解毒剤を渡せ!」

「無いんだよ、フグとトリカブトの毒を混ぜて遅効性にした特別製なんだ」

「クソッタレ!」

「有り得ない、そんな。どうして……」

 間も無くやってきた警官達によって、料理家は音楽家殺害の現行犯及び他二名の殺害容疑で逮捕された。

 捜査の結果、厨房には料理家の自白通り様々な毒物の原料となる食材が揃っており、料理家の部屋から精製された様々な毒物も発見された。更には脚本家殺害時に使用されたと思われる注射器、遠隔から文化荘内の会話を把握するための盗聴器(マイクは一〇五号室と一〇六号室間の大廊下天井に仕掛けられていた)そして極め付けに、携帯の履歴から彼が俳優の文章データをコピー機へと送信していた事まで判明し、一連の事件は脚本家、俳優、音楽家という三名の犠牲者を出して幕を閉じた。


事件現場 エントランスホール

被害者 “音楽家“

第一発見者 “警部”他五名

発見日時 六月某日午後二時三〇分

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