第23話 春休みの計画
3月末、双子沢学園は修了式をむかえた。
一声{学長}「以上で修了式を終わります。皆さん、春休みだからと言って羽目を外しすぎないように。」
終了後、1年B組では。
寝待「やっと終わった~学長の話長すぎるんだよな。」
寅之助「本当に、ぼくちゃん忙しいんだからこんなことで時間取らせないでほしいな。」
寝待「さっきまで進級できてよかったって言っていたのはどこのどいつだったかな?」
寅之助「果報!どこでその情報を!?」
別の席では
勉「これで一年も終わりか。」
練磨「なんだ、勉。あっという間に経ったみたいな顔してさ。」
勉「逆だよ、こんなに長く感じた1年間は初めてだよ。」
練磨「でもさ、何で人によって時間が早くなったり遅くなったりするんだろうな?」
勉「1年経つのが速く感じる人は、人生に変化がなかったりする人たちらしい。要するに社会人のほとんどが時間を早く感じるのは仕事して、帰って寝るみたいな同じことを繰り返していると早く感じるってこと。」
練磨「博識だな・・・・・・」
勉「まあ、今までは勉強と寝ることぐらいだったからな。そう考えると変わったなと思うよ。」
練磨「まあ、いろいろあったしな。」
寝待と寅之助は勉たちのいる席に
寝待「ところでさ、お前たちは春休みどうする予定なんだ?」
練磨「俺か?俺はほとんど野球部の練習かな? まあ春休み、三八ともどっか行こうか話し合っているけどさ。」
寝待「か~!リア充羨ましい!」
練磨「だったら果報も彼女つくればいいじゃないか?」
寝待「その余裕さらに腹立つ! いいけどさ!俺は真面野と共にロンリーに過ごすからな!」
勉「ちょっと、僕を巻き込まないで・・・・・・」
寅之助「ぼくちゃんは来年度こそ百合根嬢を振り向かせるために全力を注ぐ!」
練磨「でも、さすがの百合根さんにも彼氏いるかもしれないだろう?」
寅之助「何だと!それはぼくちゃんが許せない!」
練磨「(こいつ、結婚で失敗するタイプかもな)」
寅之助「真面野!聞いていないか?百合根嬢に彼氏がいるって話!」
勉「え!?いや・・・・・・特にそんな話は・・・・・・」
寅之助「そうか、ならいい。」
寅之助はじゃあなといい、教室を後にした。寝待もバイトの関係で帰った。
練磨「なあ、お前いつまで黙っているつもりなんだ?」
勉「その、いつかは言うつもりだけどタイミングがなかなか・・・・・・」
練磨「じゃあ今から俺がばらそうか。」
勉「やめて!」
練磨「冗談だって・・・・・・」
勉「う~ん、なにかいい考えが無いかな?」
練磨「俺も考えるよ。お前には借りがあるからな。」
勉「ありがとう。」
そこに廊下に1人の女子生徒がこちらを見ている。
勉「団ちゃん!?」
団子「やっほ~勉くん。後、隣にいるのは?」
練磨「うっす。1年B組の急蒲練磨っす。」
団子「あ~君が三八ちゃんの彼氏ね~」
練磨「三八のこと知ってんすか?」
勉「彼女も僕たちと同じ生徒会役員なんだよ。」
団子「初めまして、花寄団子で~す。団ちゃんってよんでね。」
練磨「うっす、よろしく。({胸を見る}でかいな・・・・・・)」
団子「?」
勉「ところで団ちゃんがなんでここにいるの?」
団子「実は華ちゃんと三八ちゃんが先に帰っちゃってね。だから勉くんからかいに来たってこと。」
勉「ごめん、どうしてそうなったか理解できない・・・・・・」
団子「だからさ、一緒に帰らない?」
勉「ちょっと待て!前に同じことやって華に誤解されたじゃないか!」
団子「大丈夫だって~急蒲くんもいるわけだし。」
練磨「まあ、今日部活休みですし別にいいっすよ。」
団子「決まりだね。じゃあ3人で帰ろう♪」
勉「全く・・・・・・」
こうして勉と団子と錬磨の3人で帰ることに
女子生徒A「団ちゃんじゃあね~」
団子「じゃあね~」
女子生徒B「団ちゃん。男子と帰るなんて珍しいね。」
団子「どうしても帰りたいって彼が言っていたから。」
勉「そんなこと言ってないだろ!」
練磨「まあまあ落ち着けって。」
女子生徒2人と別れた後。
練磨「団ちゃんってクラスでは人気者なんだな。」
団子「私、自分で言うのもなんだけど、けっこうクラスの評判いい方よ。」
勉「本当に自分で言うのもだな・・・・・・そんなわけないだろう。」
団子「勉くんひど~い。私のことをそんなふうにしか見ていなかったのね~」
勉「泣くフリするなよ。だって、ちょいちょい癇に障ること言うから。」
練磨「そうか?でも、俺はなんとなく団ちゃんがクラスで人気者な理由が分かる気がするな。」
勉「練磨、騙されるなよ! アイツはカワイ子ぶった悪魔なんだから!」
練磨「うっ・・・・・・うっす・・・・・・」
団子「あのね・・・・・・いくら勉くんでも言っていいことと悪いことがあるんじゃないかな・・・・・・」
勉「今までのお返しだ。」
団子「何だと! だったら華ちゃんと付き合っていることを新聞部にでも情報流そうかな~?」
勉「ぐっ・・・・・・」
練磨「(あ、勉が黙った。)」
勉「す、すみませんでした・・・・・・」
団子「じゃあお詫びに季節限定パフェでも奢ってもらおうかな?」
勉「何で僕がそんなことを!」
団子「じゃあ、やっぱりバラそ・・・・・・」
勉「はい!」
練磨「(完全に弱みを握られたな・・・・・・)」
こうして勉はファミレスで団子に季節限定パフェを奢る羽目になった。
勉「くそ・・・・・・なんで僕がこんなことに。」
練磨「お前が食って掛かるのがいけないと思うけどな。」
勉「そうだな・・・・・・反省してる。」
団子「ほらほら、2人とも早く~」
3人は席に着いた。
団子「店員さ~ん、注文お願いします。」
寝待「はい、ただいま・・・・・・ってお前ら!?」
練磨「うっす、果報のバイト先ってここだったのか?」
寝待「そうだけど・・・・・・って花寄さん。注文は?」
団子「季節限定のイチゴ特盛パフェをお願いしま~す。」
寝待「やっぱりそれを注文するか。」
勉「僕はドリンクバーで」
練磨「俺はミックスグリルを。」
勉「え、食べるの?」
練磨「だって腹減って・・・・・・」
勉「運動部の胃袋事情は・・・・・・」
寝待「真面野はドリンクバーだけでいいか?」
勉「僕はそれだけで・・・・・・」
団子「後追加でフライドポテトを!」
勉「団ちゃん!?」
寝待「はい、注文承りました!」
寝待はドアの奥に消えた。
勉「なに勝手に注文しているんだよ!」
団子「ちっちっち、何もわかってないね。」
勉「何が?」
団子「今、あそこのポスター見たけど、このファミレス、4000円以上頼むとくじが1回引けるのよ。でも今のだと足りなくなるから注文したわけ。」
勉「何でそんなことを?」
団子「聞いて喜びなさい。3等は今回の食費タダなのよ!」
勉「!」
練磨「3等は・・・・・・ってことはその上は豪華なのか?」
団子「確か、2等がマウンテンバイク、1等が液晶テレビ。そして特賞は・・・・・・」
練磨「特賞は?」
団子「北海道旅行!ペアで2泊3日の旅よ!」
練磨「ちょっと、豪華すぎないか?」
団子「まあ当たるわけないけどね~」
勉「食費タダ食費タダ・・・・・・」
練磨「げっ!勉が燃えてる。」
団子「だって勉くんお金にシビアなのだから。」
数分後、全員分の料理が運ばれてきた。
勉 「{ポテトを頬張る}」
団子「そんなに急いで食べないでよ~私の分がなくなっちゃうじゃない!」
練磨「焦らなくてもポテトは逃げないから・・・・・・」
こうして3人の食事は約20分ほどで終了した。
受付嬢「お会計、4120円になります。」
勉がお金を払うと。
受付嬢「それではくじを1回引いてください。」
勉は左手で華からもらった胸のクローバーのネックレスを握った。
練磨「ところで、いつも思ったけどあのネックレスは何だ?」
団子「あれ、華ちゃんの手作り。」
練磨「百合根さんすごいな。」
勉「(華、僕に当たりを引かせてくれ・・・・・・食費タダ!)」
勉はネックレスを握った左手でくじを1枚ひいた。
練磨「利き手じゃない方で引くとか野球のドラフトくじじゃないんだから・・・・・・」
団子「どういうこと?」
受付嬢がくじをめくると・・・・・・
受付嬢「!」
勉「どうしましたか?」
受付嬢「・・・・・・当たりです。」
勉「食費タダですか!?」
受付嬢「違います。特賞です・・・・・・」
団子・練磨「え~!!!」
勉「はあ・・・・・・期待して損した。」
団子・練磨「いやいやいやいや!」
練磨「特賞だぞ!喜べないのか!?」
勉「だって食費タダじゃないんだろう。」
練磨「いや、食費よりもはるかに価値のあるものだろうが!!」
団子「やっぱりこの子、頭のねじが何個か外れているわよ!」
こうして勉は特賞の北海道旅行券を当てた。その帰り道・・・・・・
練磨「でもお前すごいな!」
勉「すごいか?」
団子「すごいわよ!」
勉「でも、行く機会ないし。誰と行けばいいか分からないし・・・・・・」
団子「{震える}あんたって人は!!!」
勉「え!?」
団子「華ちゃんと行けばいいじゃないか~!」
勉「でも、アイツ喜ぶかな?」
団子「喜ぶに決まっているじゃない!彼氏との2人旅行なのよ!」
練磨「本当に彼氏としての自覚があるのか?」
団子「そう考えると急蒲くんの方が彼氏としての自覚があるよね~」
勉「・・・・・・分かったよ。」
団子「じゃあ私たちは先に帰るから。いい?くじで当てたとか言っちゃだめだからね!」
勉「何で?」
団子・急蒲「何でも!」
こうして2人は急いでその場を後にした。
勉「でも、華を誘うなんて・・・・・・ いや、何を縮こまっているんだ!勇気を出せ、真面野勉!」
勉は華の電話に掛けた。
華「はい、勉どうしたの?」
勉「あのさ・・・・・・4月1日から3日間予定空いているかな?」
華「うん、特に予定はないかな?」
勉「じゃあさ、一緒に北海道にでも行かない?」
華「北海道・・・・・・え、北海道!?」
勉「実はくじ・・・・・・じゃなくてチケットがあるんだよ。もしよかったらなんだけど・・・・・・」
華はしばらく黙っていた。
勉「華?」
華「分かった、予定開けておく!」
勉「そうか、じゃあ時間とかはまたメールする。」
華「うん、楽しみにしているね!」
華は電話を切った。
勉「誘えた・・・・・・僕から華を誘えたんだ・・・・・・ やった~!」
少年「ママ、あのお兄さん一人で何言っているの?」
ママ「しっ、見るんじゃありません!」
第23話(完)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます