17話 ヤバ刑事(デカ)VS悪魔
俺は、経緯を話した……が、そもそもランドウと呼ばれる男と
面識はなく、襲われる理由もわからないと話した。
「なるほどな……」
俺の話にタッキーさんはそう答え。
「まぁ、署でこいつら締め上げればわかる……じゃないか?
タッキー」
と横でユウジンさんが言う。
「だなw」
とユウジンさんに返すタッキーさんだった。
タッキーさんは、スーツの内ポケットから例の『小槌』を
出し、それを振ると\パッ/とインコが現れた。
(えっ、何それ)
出てきたインコを手に乗せ、小さな豆(ひよこ豆)を1粒取り出し、
「はい、ぴーちゃんこれね」
と食べさせ、
「滝沢より本部へ、現在、
誘拐犯とおぼしき容疑者3名を拘束、なお、誘拐されたと思われる
1人の少年も同時に保護、こちらに護送車両を回されたし以上!」
とインコにしゃべる。
そして、
「ピーちゃん復唱は?」
と言うと、今さっきタッキーさんが言った通りと言うか、声まで同じ
でインコがしゃべった。
「よし、頼んだよ」
とタッキーさんがインコにそう声を掛けると、インコは、先ほどラン
ドウが、開けた壁の穴から飛び立っていった。
後で聞いたら、このインコは、クリスタル警察で使われる連絡用
インコで、インコに与えた小さな豆は、リコルドの実と言う木の実
で、インコの記憶を一時的に、増幅できるそうだ。
◇
投げた手裏剣を俺は回収していると、タッキーさんが俺に聴いて
きた。
「それは、どこで手に入れた?」
なので、
「あぁ!これですか……ガイセルさんが作ってくれましたw」
と答えると、ターッキーさんは”えっ”て顔して、
「んっ、ガイゼルって、あの『ガンボー』のカイゼル・
ミュラーか?」
と聞いてくるので、
「はい」
と答えると、腰の後ろからS&W M49 ボディガード
を抜き俺に見せ、
「これもカイゼル・ミュラーの作品だぜw」
と言う。
「えっ、ガイゼルさんとタッキーさんってお知合いですか?」
と聞くと、
「んっ、まぁ、知り合いと言うか、俺達も以前『ガンブレイブ』
に居た冒険者さ」
と笑顔で答えてくれた。
タッキーさんの話だと、タッキーさんとユウジンさんは元冒険者
って言うか、『ガンブレイブ』で冒険者やっていたそうだ。
タッキーさんの本名は、ケヴィン・ロックハート バーン
王国出身の40歳。
(40歳には見えないな)
って思ったら、
≪今の姿はブランチだからじゃない?≫
と、
ただ、警察の仕事をしている時は、普段の姿ではなくこの
ブランチの姿なので、このブランチの名前である刑事ドラマ
『ヤバ
で、
ユウジンさんは、と言うと、本名コラット(猫人)で、
デンスアーラ共和国(獣人)出身の40歳。
ユウジンさんもタッキーさん同様、警察の仕事をしている時は、
刑事ドラマ 『ヤバ
るそうだ。
因みに、タッキーさんが使ったブランチスキルは、
『ウイークポイント』と言って、敵の弱点がわかる能力だそう
で、ユウジンさんが使ったブランチスキルは、『攪乱』で敵を
攪乱できる能力だ。
弾の給弾についても、弾がなくなると、銃口を地面に向けるだけ
で、自動で給弾つまり、ブランチの魔力が尽きない限り、弾は撃
てるそうだ。
また、使用銃器については、『ヤバ
映画で、敵味方関係なく使用した銃器を出せるそうだ。
話を戻すと、トムさんやガイゼルさんが引退を決め、チーム
を解散するおり、2人をクリスタル警察に推薦してくれたそうだ。
で、
その時、餞別としてこの銃をタッキーさんにガイゼルさんが
プレゼントしてくれたものだとか、今でもガイゼルさんが以前
やっていた武器防具の店(現在ガイセルさんの弟経営)で、
この銃用の弾丸を分けてもらっているそうだ。
「なんだ、ガイゼルの知り合いかよ~」
俺とタッキーさんの話にユウジンさんも加わってくる。
「道理で、お前の手裏剣と俺の銃と能力が似てると思ったぜ」
の言葉に俺が聞く。
「似た能力と言いますと……?」
タッキーさんの説明によると、タッキーさんの銃と言うより、
その使用弾丸に秘密があって、この銃に仕込まれている黒い弾丸
は、当たると相手の体内の魔力を外に放出する効果があるそうで、
それを聞くと、俺の手裏剣と似てるところはあるかな。
俺の手裏剣の場合は、放出ではなく魔法に変換して放出する訳
だけど、まぁ、相手から魔力を奪う点では同じだとな。
俺がカイゼルさんだけでなく、復活した『ガンブレイブ』に
お世話になっていると聞いて、タッキーさんとユウジンさんの
2人は急に俺に親し気に話しかけてきた。
「君、名前は?」
とユウジンさんに聞かれたので、
「僕は
と三毛猫を指して俺が紹介すると、
「何で猫に人の名前を付けるんだ?」
と不思議がるユウジンさん。
そこで、この世界に来た経緯から、俺は2人に話すのだった。
◇
「なるほど……」
と俺の話に考え込むタッキーさん。
「じゃ、その悪魔ってのが、ランドウを雇ったのかもな」
と軽く言うユウジンさんに、
「悪魔が人を雇うかぁ~」
と俺の顔を見て言うから、
「わかりません」
と俺は答えると。
「まぁ、そーだよな~」
とユウジンさんが同意してくれた。
「ところで、テンタこのこと、ガイゼルやトムには
伝えてるのか?」
とタッキーさんに聞かれ、
「あっ!忘れてた」
と俺が思わず声に出すと、
≪もう、トムさん達には連絡したよ?≫
って
≪えっ、いつ?≫
≪さっき、インコを見て連絡取らなきゃって思ったの≫
と俺の質問に答える
で、
≪トムさんの話だと、トムさんは、少し遅れるみたいで、
先にCG隊がこちらに向かっているって言ってた。≫
≪そうなのか≫
俺と
さんが気づいたみたいで、
「で、なんだって?」
と聞いてくるので、すでに
おり、迎えが来ることを話した。
その時、突然声がした。
「いけませんねぇ~また邪魔が入りましたか」
その声に、俺を含め全員が声のする方に向く。
そこには、あの時オトアの体と共に消えた執事風の
男が立っていた。
「あっ、あの時の!」
と俺が思わず叫ぶ。
「「何っ!!」」
とタッキーさんとユウジンさんが同時に銃を抜き、構える。
「ほぉーほほっ」
執事風の男は余裕の笑みを浮かべながら、自分のの前に仰
向けに転がるランドウ達に、近寄りそして、しゃがみ込み
ながら、ランドウ達3人の口に小さな飴玉のようなものを
放り込む。
それを見たタッキーさんが叫ぶ。
「動くな!」
その言葉を聞いた、執事風の男は手をあげ、そっと立ち上
がる。
「動くと撃つぞ!」
とユウジンさんの言葉に、
「やってみろ!人間」
と急に険しい顔で言う執事風の男。
その言葉に、ユウジンさんが、\\バキュン//、\\バキュン
//、\\バキュン//、と
思わず、銃を発砲するが、執事風の男は、上げた右掌を
”クイクイ”とさせると、ユウジンさんが撃った弾がすべ
て空中で停まり、そして、”バラバラ”とその場の地面に
落ちた。
「「「何っ!!!」」」
俺を始めユウジンさんやタッキーさんも驚く。
その時だった。
「「「ぬぉ――――!!!」」」
倒れていたランドウ達が後ろ手に掛けられていた手錠の鎖を引
きちぎり、ランドウに至っては首輪も引きちぎる。
そして、腕に残った手錠のリングも引きちぎると、見る見る体
色が紫色に変わり、頭は山羊に変わり、背中には、蝙蝠の羽が
生えた。
「テンタ、ここに居ろ!」
タッキーさんが、俺にそう言うと同時に、ユウジンさん共々、
ランドウ達の方に駆け寄りながら、銃を発砲する。
\\バキュン//、\\バキュン//、\\バキュン//、
\\\カンカンカンカン///
しかし、悪魔化したランドウ達3人は、体から紫の闘気のよう
なものを出して、弾を跳ね返した。
そして、タッキーさんとユジンさんに向け、ランドウの手下2人
は口から火球を吐き、ランドウは右掌を突き出し、稲妻を撃った。
”\\ボッシュ//”\\”ボッシュ//”
”\\\バリバリバリ///”
それを散会し、避けるタッキーさんとユジンさん。
2人の居た場所へ、火球と稲妻が当たる。
”ボー””ボー”
”\\\ズババババーン!///”
タッキーさんとユジンさんが居た場所の床に大きな穴が開く。
「あっぶねぇ」
と言いながら、ユウジンさんが額をぬぐう。
「ユウジン!」
タッキーさんは、自身の銃をガバメントから、レミントンM31
ソードオフ型(短く詰めたショトガン)に変え、それをユウジン
さんに見せると、ユウジンさんは、頷き自身の銃をウージー
(マシンガン)に変えた。
「ヤロー!」
ユウジンさんは、ウージー(マシンガン)に
変えると同時に発砲する。
”\\\バババババッ///”
それを見て、タッキーさんもショットガンを発砲する。
”\\バコン//””\\バコン//””\\バコン//”
\\\カンカンカンカン///
しかし、ランドウ達の体からでる紫色の闘気に阻まれ、
攻撃が通らない。
「っく、ちょっとは痛がれ!」
”\\\バババババッ///”
ユウジンさんが悪態をつきなおマシンガンを撃つが、
\\\カンカンカンカン///と弾かれてしまう。
その様子に気を取られている俺と
間にか執事風の男が現れ、
「ふん、痛めつけてやる」
と俺の首に手を伸ばそうとした時、俺の横に居た
の目が光る。
”ニャー”
すると、執事が俺の首に伸ばす手をはじく様に、青色のバリアー
みたいなものが、俺と
(ひょっとして、これオトアのブランチスキルか?)
「な・何っ!」
俺の首に伸ばした自身の手をはじかれ、驚く執事風の男。
「ええぃっ、
と
自身の右腕を大きな斧に変えた。
「これで、たたき割ってくれるわw」
狂気に満ちた笑みを浮かべ、右腕の斧を振り下ろす。
\\バキーン//、\\バキーン//
ともしないのだが……。
ここで、バリアーを張っていた、
こる。
目の光が点滅し始め、体もふらつきだし、そして、”バタ”
と倒れる。
「オトア!オトアどうした~」
倒れた
すると、
と消えた。
俺は慌てて、
”Zzz”
(寝てるのか?)
寝ている
バリアーが消えてたのを見て、ほくそ笑む執事風の男。
「ここらが、年貢の納め時ですよw」
そう言うと、右腕の斧を振りかぶる。
(ヤバイ、やばいぞこの状況!)
焦る俺だった。
◇
「ご安心ください、一思いには殺しませんからw、まずは、右目を
くりぬきましょうか~」
と嬉しそうに笑みを浮かべながら言う執事風の男。
そう言うと、斧に変えた右腕を元に戻し、右手中指を針のように
長く変え、それを舌なめずりしながら、俺に迫って来た。
(どうする、どうする俺)
その時だった。
\チリンチリン/
”ビユーン”彡
倉庫の入り口から、ものすごいスピードで、東南アジアのタイで
、よく見るトゥクトゥク(三輪バイク)に似た銀色のそれが入っ
て来た。
そう、CG隊(クリスタル警備隊)のポインター号だった。
”\\ボンッ//”
ポインター号は、入り口付近で、タッキーさん達と闘っていた、
悪魔になったランドウ一味の一番小柄な手下を撥ね、こちらに
向かってくる。
撥ねられた手下は壁にぶち当たり、
”\\ドン//”
壁にめり込む。
”\\キ――――――ッ//”
けたたましいブレーキ音と共に、
”\\ボンッ//”
今度は、俺の前に居る執事風の男も撥ねた。
俺に向かって執事風の男が飛んでくるので、俺はとっさに、
を抱きかかえたまま横に跳んだ。
”\\ドン//”
執事風の男は飛ばされ、倉庫の壁にはぶち当たったが、壁にめり込
みはしなかった。
「大丈夫かテンタ君!」
ポインター号を運転する(漕いでいる)バル隊員が、俺を心配し
て、声を掛けると同時に、2人の人がサッと、ポインター号から
降りて、サーベルを構えた。
サーベルを構える2人と言うのは……。
まず、ライオン頭で、尻尾もライオンの人は、獅子人で、
身長195Cm筋肉質のCG隊(クリスタル警備隊)隊長
のリエフ・キリマさん。
もう一人の人が虎頭で、虎の尻尾の虎人で、身長190
Cmがっしりとした体形のウルスス・フルシーさんだ。
「テンタ君こっちに」
バル隊員に言われ、ポインター号の方に避難する。
「おのれ~、私を愚弄しましたね、後悔しますよ」
壁にぶち当たり、倒れていた執事風の男が、闘志を燃やし
たような目つきで、キリマ隊長とフルシー隊員を睨み言う。
そして、
「漆黒よりも暗きもの汝の暗き祝福で 日の光を覆い尽く
せダーククラウド」
と呪文を唱えると、あたりが暗くなってきた。
そして、指を\パチン/と鳴らすと、3体のレッサーデ
ーモンを召喚した。
これは、のちに聞いた話だが、人間やその他の魔物など
に受体した悪魔は日の光を浴びても、平気だが、アストラ
ル体(精神体)であるレッサーデーモンは、日の光に弱い
ため、それを防ぐために、一時的に日の光を遮る黒雲を発
生させ、日の光を遮断する悪魔が使う魔法が”ダーククラ
ウド”らしい。
(あたりが少し暗くなってきた)
(それに……数で負けてますけど……大丈夫ですか?
キリマ隊長~)
と、この状況に少し不安に思う俺だった。
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