被・プロポーズ☆大作戦

@qavion

第1話

「それでは、おっちょこちょいな彼氏を陰ながら手助けして、無事にプロポーズをされることを目指してがんばってください!『被・プロポーズ☆大作戦』スタートです!」


 そんなアナウンスと共に、謎解きゲームが始まった。


 


 ――その2時間ほど前のこと。

 

 今日は珍しく同棲している彼氏が出かけていて、一日中1人っきりだ。朝8時ごろに出かけていくのを夢現の状態で見送った記憶がうっすらとある。

 それからしばらく2度寝を楽しみ、今は午前10時30分だ。

 

「ふぁ〜ぁ……。何しようかな。」

 

 彼氏の外出が突然決まったので、特に予定を立てていなかった私は、のんびりと起き上がりながら考える。


「そういえば、横浜にあるリアル脱出ゲームの店に、新しい謎解き公演が出てたっけ。」


 ふと、数日前に見た情報を思い出す。

 日本で最大の人口を誇る市、横浜市には、それ相応の謎解き施設がいくつも存在する。

 そのうちの有名な一店舗で、新しい謎解きイベントの公演を開始した、という記事をネットで見たことを思い出した。

 突飛なタイトルで興味を惹かれたことを覚えている。

 タイトルは、『被・プロポーズ☆大作戦』で、導入はこうだ。

 

 ――

「どうしよう!このままじゃおっちょこちょいな彼氏が私へのプロポーズに失敗しちゃう!」

 あなたのおっちょこちょいな彼氏があなたにプロポーズをしようとしてるみたい。

 でも抜けてる彼氏はプロポーズの準備も大事なところが抜けている!

 いつもあなたがフォローしてあげている彼が、サプライズのためにがんばって準備してくれたんだもん。このまま失敗になんてしたくない。

 陰ながらサポートして、無事プロポーズされてあげよう!

 ――


 プロポーズを成功させる。謎解きイベントでよくありそうな題材ではある。ただしこのイベントはプロポーズ側なのだ。


「暇だし、この謎解きイベント参加するか。」


 ちょっとだけ面白そうと思った私は、この謎解きイベントに参加することにした。

 

 ――そして話は冒頭に戻る。


 

【指示】次の話を読んでください。

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