第4話 同類?

ケセコワの儀式から二年

父キチェスは5歳になった三つ子の学力向上の為

わざわざ家庭教師を雇った

その他にラテルとルクトは武術の稽古

私には淑女に必要な礼儀作法の稽古

ガァー嫌だ嫌だ嫌だ、勉強も礼儀作法も嫌だー!


二人の弟は勉学にけていて

難しい本もスラスラと読みやがる

くそ面白くない

目障りな奴らだ事故に見せ掛け殺してやるか

なぁんてねフッフッフッ

あぁ、こんなことなら過去の人生で

ちゃんと勉強しておけばよかった

後悔先に立たずですよ。


あっ、でも今は頑張っているぞ

美しいお辞儀のしかた

エレガントなティーカップの持ち方

上品な笑顔のつくりかた

今日はお辞儀が上手になったと褒められた


こうして毎日つつがなく過ごしている・・・


こんな事が怨霊・朱鷺門領詮を倒すのに

何の役に立つというのか⁉

だが仕方ない今はこの人生を乗り切るのだ

頑張れ蝉丸!


――――――――


❝聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥❞と言う

精進の為、恥をしのぎ

ラテルに分からない文字を教てもらおうと

部屋を覗いたら、あいにくルクトしか居ない

ルクトは上から目線で苦手だ、ラテルを探そう


「笠谷・金野・青地、くぅ~強かったなあ日の丸飛行隊」

「???」

「雪の札幌オリンピックかぁ」

「おいルクト、お前スキージャンプが好きなのか?」


こいつ今ビックンとしたな 


「私は北海道で冬季五輪の

 日の丸飛行隊ジャンプを直に見たんだぞ」

「本当か?それは羨ましい!・・・知らん

 おっ俺は日の丸飛行隊なんて知らないっ」


すっげえ目が泳いでるじゃん!


「ルクト、お前は何者だ!」  

「はっ離せフォーラ、胸ぐら掴むな」


「言え!何処から来た?私を追って来たのか?」

「そんなに激しく揺するな目が回る止めてくれ」


「さては朱鷺門領詮の手のものか?

 転生の失敗はお前が原因なのか⁉」

「はぁ?何の話だ朱鷺門ナンチャンラなんて知らん」


「どう考えても可笑しいだろうが!

 同じ時代から前世の記憶を持ち

 同じ星の同じ家に生ま れるなんて

 いったいどんな呪術を使った!」

「俺にはわからん、目が覚めたら生まれていたんだ」


――――――――


「二人とも転生者なの?」

はっ背後から声が・・・振り向くと・・・!!


「ラテル、いつからいた⁉」

「フォーラがルクトの胸ぐらを掴んで

 グワングワン揺すってる時から」


しっ、知られてしまった、どっどうしよう


そうだ頭を強く叩けば記憶が無くなるかも

でも叩き過ぎてもしバカになったら・・・

いやその方が都合がいいかも

目障りが一人減るしなぁ

よし、やってしまえ!

と部屋に飾ってある大きな花瓶を振り上げ

ラテルの頭目掛けて

力一杯振り下ろそうとしたその瞬間


「僕も転生者なんだ」 

・・・はいっ?・・・なんだってぇ?

余りの衝撃的な告白に体が固まり

花瓶はするりと手から落ちた


「僕はタスジャーク国の前国王マーツニキスⅡ世の

 第一王子ニナオイスⅢ世だ」


ハァー⁉三つ子が揃いも揃って転生者だと⁉

なんですかっゴコーゼッシュ家は

転生者のたまり場なんですか?

吹き溜まりなんですかぁ?集合場所なんですかぁ?


ルクトは目を回し床に倒れこんでいるし

・・・まぁこれは私のせいなのだが

ラテルは肩を震わせ泣き出すしで

頭がショートしそうだよ

もう無理です!

全く全然、状況が理解できませーん!

ところでニナオイスⅢ世って、誰?

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