青葉書店開店します。弐『シロツメクサの花』

こんぎつね

第1話 売り物ではない本

おはようございます。

青井万理望まりもです。


今日も青葉書店開店します!! 



今日のレジカウンターの花瓶にはスズランの花が挿してあります。


とっても可愛らしい白い花です。


もちろん、お隣の『やよい生花店』からいただきました♪


「すずらんの花、可愛いな。私も可愛いらしいなんて言ってほしいけど ..はぁ」


「おぉ~、これはどうしたの? 万理望ちゃん。溜息なんかついて」

「ああ、鉄平さん。万理望ね。いま、恋をしているみたいなの。その人はいつもお花を届けてきてくれてね。その人の事を思うと何か胸が痛くて」


「な、なんだと!そ、それはもしかして、花屋の義男の事か?あの野郎!そういう目的だったのか!! 」

「なんて! 嘘よ! 嘘! 冗談だってば」


「な、なんだよ。冗談か。勘弁してくれよ。はい。これ商店街『サマーキャンペーン』の企画書。万理望ちゃん、挿絵お願いするからには何かお礼するけど、何がいい? 」

「そんなお礼なんていいですよ。でも、どうしてもというなら..ダイヤモンドさんのショートケーキがいいな」


「ははは。OK! 義男に買いに行かせるから! 」


鉄平さんは斜め向かいの『鈴木商店』のご主人さん。

昔、やんちゃだったみたいで、その名残が今もその髪型に残っている。

そのおかげで幸いにも商店街の治安は守られている ..かな。



溜息.. 私の溜息の本当の理由......

まただ.... またコンテストの第二選考に残れなかった......


昨年から本格的に始めた私の童話作家への挑戦。

ネットの小説投稿サイト『カクカク』の「第1回不思議の国のペンロード」というKADOWAKI企画のコンテストに応募してみた。

お題は①不思議の国 ②恋のお話 という2つのテーマが含まれている事。


作品の多くは『異世界に転生したら~ 』という作品が多い中、私はやっぱり自分の好みに忠実に童話風の物語を綴ってみたんだ。


でもやっぱりきびしい結果に!(>_<)


というよりも私がまだまだってことだね。


「私には、まだまだ伸びしろがある.... 私には、まだまだ伸びしろがある....」


そんなことを呪文のように唱えながら、フラワーモップで本棚清掃をはじめる。


そしてふと、童話コーナーの一番下の本を手にする。



そういえば、この本も不思議な国と恋のお話だったな....



青葉書店には『決して売ることはない本』がある。


それが、この四つ葉のクローバーと花が描かれたハードカバー本。


その本のタイトルは『シロツメクサの花』

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