第68話『沼の底』で戦った
レベル6になって広がった「沼の底」の可動域。ゲルダのことで忘れかけてて、検証してなかった。
いきなし実戦はない?
私の魔力が少ないからと、推定レベル150をレベル30と判断した程度の相手だもん。素手で殺せる。
「沼レベル6の「沼5メートル」は放棄したけど、沼の底は幾らか操作できるようになったって言ってたな」
ただ念じるだけだと、普段通り目の前2メートル、上2メートルの位置に沼の底が現れそうだった。
イメージしていくと横10メートル、上10メートルの可動域。泥団子の発動範囲と同じだ。
「なにぶつくさ言ってるんだよ!」
実は戦闘が始まっている。投げナイフ、剣檄、ファイアボールが飛んで来るが、遅く感じる。走りながら、1人も逃がさないように移動して沼に敵をキャッチしている。
「使ってみるか、前方、高さ共に4メートルで沼の底。出てこい、2メートル岩石」
とっぷん。ず、ず、ずとん!
「・・なんだこりや」
「空中から岩が出てきたな」
迫力はあるが・・。発動遅い。
「誰だってよけられるな。戦闘中の使用は保留」
沼レベル6の恩恵はもうひとつあった。
ちょうど土魔法使いを沼に捉えたときだ。
「変な穴に沈められてたまるか、壊してやる。ストーンニードル!」
すると、魔法が沼の上で発動したが、沼の上に出た分のストーンニードルが沼に沈んだ。
「へえ~。そうか、沼様は外に干渉できないから理解してないだけで、「沼」の細かな進化もあるんだ。ぎゃっ」
ダメージは小さいが、お尻にファイアボールを食らった。
「火魔法か。もう次の準備してる。そうだ実験のチャンス」
ぺちょっ。
2メートル泥団子を火魔法使いが術を出すときに投げつけた。
「ファイアトルネード!うああっ」
ぺちょっ。ぽちょん。とぷぷぷ、とぷっ。とぷっ。
「魔法使いと魔法を吸い込んだよ。沼の中身表示は?」
ストーンニードル0・5、ファイアトルネード0・8になってた。
0・8は一回分の8割をとらえたのだろうか。それとも何かの基準の8割なのか。
「疑似だけど、初の魔法だ。前上に4メートル、ファイアトルネード0・8放出」
ゴオオオオ!
魔法使いはレベル50の1人のだったのだろう。プラスして魔法に長けた魔族。
渦巻く炎が一気に7人の敵を焼き、3人をヤケドさせた。
そして私も火に巻かれている。
「あっちち。半分にしとけば良かったよ」
ここで知ったが、沼の底にも10メートルルールは生きていた。
命令した炎は少しずつ降ってきて、発動が終わらない。
何とか避けてるが、熱い。
沼に何か沈むとき10メートルしか離れられないのと同様に、沼の底から炎が出終わるまで10メートルしか遠ざかれないのだ。
それに空中4メートル地点からの10メートルだから、炎が落ちる場所からの距離は6メートルくらいに見える。
「ちっくしょう。ゲル太を喜ばせるためのボディースーツは煤で汚れるし、髪の毛もチリチリ。私のエロボディーは「ゲスのエサ」以外の使用が禁じられているのか・・」
ゴスッ、ゴスッ。ゴスッ、ゴスッ、ゴスッ。
腹を立てた私は、残った敵を丹念に倒した。
「お尻がヒリヒリしてきた」
仕方なくワンピに着替え、湖の方に向かった。
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