第63話 伴侶は沼で造られる

「ぬ、ぬ、ぬ、沼様」


『なんだ、まだゲルダを沼から出して10分もたってないぞ』


沼様はゲルダを生き返らせてくれた。顔も体も無事だ。足がムッチリで太くなったけど立てた。


だけど、股間に男のシンボルがそそり立っている。


「ゲルダを救ってくれたけど、何でオチンチンが生えてるの・・」


『最初は股間の排泄器官や性器は、女神器持ち楓夏のやつを使おうと思った。だかヤバいことになってた』


「私が破壊したんだけどさ・・」


『両足は楓夏のやつが使えたが、膀胱、直腸、女性器、尿道は、短時間で修復は無理だった』


「苦労かけたね。謝るよ」


『急を要したからな。全取っ替えしかないと判断して、内臓も含めて男神器持ちの奨太のを使った。ほんの少し構造が違ったが「誤差の範囲」だったから合わせられた』


「やっぱ沼様は出来る子だったんだ。彼女を助けるために機転を利かしてくれたのか」


『おう! 尿道が通っている器官が性器を兼ねていて、面白い構造をしとる。肝臓と腎臓は奨太のだから、血管もすんなり繋がった。玉が2つ付いてたから、それも保存してゲルダに移植した』


さらっと言ってるけど、どんな大魔道師でも出来なさそうな大技。さすがは混沌世界の管理者、沼様だ。


「誤差」の範囲でゲルダを性転換させるんだもん。


もしゲルダが顔を焼かれていたら、「誤差の範囲」で奨太の顔と取り替えていたんだろうか。恐ろしい・・。


『今はゲルダに生殖機能はないが、3年したら生殖器の遺伝情報がゲルダになって働き出すから、子供が作れるぞ。あの2つの玉にそういう機能があるようだ。ゲルダの遺伝子が「XX」だから女しか産まれんがな』


「え、マジで私とゲルダの子供ができるの?」

「なに、それ本当?これ、中身まで本物なんだ」


ゲルダが自分に生えたものをつまみながら、話に食いついた。


「3年後より先で、「いでんし」とかいう奴の関係で子供は女の子限定らしいけど、産まれるってさ」

「うわあ、沼様ってすごい」

「って言ってる」


『うんうん、そうだろう。ゲルダは分かっておる。おお、そうだ。正直なゲルダには、性器に付いてる2個の玉を右はオリハルコン、左はヒヒイロノカネに取り替えてやろう』


2人して全力で断った。テカテカに光る子供が出来てしまうだろうが。




「ねえサーシャ」

「何?」

「股間のこれ、きちんと感覚かあるの。どうしよう」

「どうしようって言われても・・」


「生き残れたからこのままでいいけど、使ってサーシャと結ばれたい・・。どうにかして」


「沼様が私の体をレベル200くらいのスケベボディーに作り替えたけど、肝腎の私自身はレベル3くらいの経験しかないんだよな。「童貞ゲル太」のリードなんて無理。一緒に頑張ろうか」

「・・だね」



楽しむ余裕もなく、とにかく頑張った。


ぎこちなくも「男と女の関係」のようなものになった。




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