第69話 死闘!ふじ、クイーン VS. バイオ、グリ

【これまでのあらすじ】

 濡れ衣を着せられチームBIOを追放されたレジスタンスエージェント バイオは、真実を探すため、グリと共に、Crystal Tower を登る。

 目的であるチームBIOのサブリーダー ハートオブクイーンとの再会を果たすが、バイオの知るハートオブクイーンとは別人であった。

 混乱するバイオに対し、クイーンは自分に勝てば、チームBIOのリーダーとバイオと同じ名を持つスペードオブエースと会わせると言い放つ。

 バイオはグリと共に、クイーンと不二(ふじ)との2対2のクラスター戦に臨むも、オーナメントポータルは点灯直後奪取され、窮地に陥る。



【クラスター戦のルール】

 ・部屋にある9つのブロンズ像ポータルの1つが戦闘開始10分前に”オーナメントポータル”として点灯する

 ・戦闘時間は10分間

 ・10分間のどこかの瞬間に計測時刻が設定される。


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330648979759038


 ・計測時刻に次の行為が成されていたらポイントが入る。

 1.計測時刻に”オーナメントポータル”をキャプチャしていた陣営に1点が入る

 2.計測時刻に”オーナメントポータル”を使ったリンクを引いた陣営に1点が入る

  ただし、リンク本数に関わらず得点は1点のみ

 3.計測時刻に”オーナメントポータル”を沈めるCFを作った陣営に2点が入る

 ・戦闘終了後、獲得ポイントが多い陣営が勝利


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330648979797192

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826105709


 オーナメント点灯から1分経過。

 つまり、戦闘開始9分前、百八の魔星の中でも実戦部隊の長である四天王の2人、地巧星の不二(ふじ)と地勇星のハートオブクイーンはお互いの背中を預けあい、勝利を確信した笑みを浮かべスキャナーを操作していた。

 彼らは、オーナメントポータルである”ミロのヴィーナス像”、及び隣の”ロダンの考える人像”を奪取し、相互リンクを張っていた。

 今の状態で、戦闘開始し、計測時刻を迎えれば、2点のポイントが入り事実上の勝利となる。

 2人のやることは明確で、”ミロのヴィーナス像”と”ロダンの考える人像”のリンクを青陣営の攻撃から守り、戦闘終了までの19分間キープすることであった。


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826159430


 一方の、バイオとグリは、青ドローンに”ミロのヴィーナス像”と”ロダンの考える人像”を攻撃させるべく、緑ポータルを青化するためフィールド上を走り回っていた。


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826214786

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826268997

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826301940


 オーナメント点灯から2分経過。

 つまり、戦闘開始8分前、グリは足を止め”ミロのヴィーナス像”の手前”女神テミス像”をキャプチャし、緑ドローンからの攻撃を防御し青で維持し始めた。


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826338030


 クイーンは、背中のふじに囁く。

「グリの奴。防御の合間に、8バスを撃ってきているようだ。

 ヴィーナスへの攻撃が強くなっている」


「守れるさー?

 おいらも、そっちをわんこ※1するかい」


 ふじからの申し出を鼻で笑い、

「こっちのことは、心配いらないよ。

 あいつの攻撃は防御しながらの、ながら攻撃に過ぎない。しかも、距離も遠い。焼け石に水さ。

 あんたは、ロダンを守ってな」


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826379238


 クイーンの言葉に苦笑を浮かべたふじは、フィールドを見直し違和感を感じる。

「待つさー。

 右隅の無人の”接吻像”がなんで青でキープされているさー?

 緑ドローンは何をしているさー。


 は!そういうことさー。

 あきさみよー(なんということだ)!」


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826426995


 ふじの叫びに、クイーンが、

「どうしたってんだい。

 いきなり、素っ頓狂な声を出して!」


「やられたさー。

 あったー(かれら)は、最初からオーナメントポータルを沈めるCFを作ることを狙っていたさー。

 そして、それは成功しつつあるさー。」


「なんだって!

 そんなことは出来ないはずだ。

 ヴィーナスを沈めるには、3つのコーナーを使ったCFを作る必要があるが、2人でドローンの攻撃から3つのポータルを守ることなんて、、」

 フィールドを見たクイーンの言葉が止まる。


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826512841


「そうか!

 ドローンが近くの敵ポータルの破壊を優先するアルゴリズムを利用して、自分に引き付けることで”接吻像”を無人で青キープさせているのか!」

 クイーンの叫びと同時に、”ヴィーナス像”が青CFに沈んだ。


 ※挿絵

https://kakuyomu.jp/users/dobby_boy/news/16817330649826564387


 この時点で、オーナメント点灯から10分経過。

 つまり、この瞬間、戦闘時間に突入した。





 ※1.わんこ:攻撃を受けているポータルで、レゾネーターが破壊されたら、即レゾネーターをデプロイし、シールドが破壊されたら、即シールドをデプロイし続けることで、ポータルの破壊を防ぐ防御方法。

 食べて食べてもソバが追加される「わんこソバ」が語源とされる。

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