第12話 最終話 その後

人間達と共存することになったキングダムは凄まじい行き良いで発展を遂げていく。国は整備され、クリーンなエネルギーを使い車は空を飛び、ビルは立ち並びまるで近未来の地球を思わせる風景がそこにはあった。そこから離れた丘は緑が広がっていてそこでピノとふたりで腰掛けその風景を観ながら話す


ピノ「君に言わないといけないことがある」


少年「なに?」


ピノ「科学も医療も進歩して自分の遺伝子を調べてもらったんだ。そしたら僕、女の子だった」


少年「えぇぇえ!」


ピノ「お父さんとお母さんも調べてもらったら、男女逆で、今までお父さんだと思ってたのはお母さんで、お母さんだと思ってたのがお父さんだったみたい。僕らテレパシーで子供生むでしょ?生殖器は退化してて性別がわからなかったんだよね。」


少年「ピノは女の子なのかー」


ピノ「テレパシーは便利だけど不便な所が、あからさまになったって事だね。私、『君にしか出来ない事がある。一緒に探そう』って前に言われた時に君に恋をしていたんだって、気づいたの。ねぇ、君の好きな女の子タイプ教えて?」


少年「なんだろう。。」


そう言うとピノがキラキラと光だし、そこには変化した人間の女の子がいたそれは髪型はボブショートで白いサロペットの良く似合う可愛らしい女の子だった


僕は照れて目を逸らした


ピノ「こんな感じかなぁ?好きになってくれた?」


少年「うん。。」


ピノ「君とキングダムで一緒に暮らしたい。このまま残ってくれない?」


その時だった、バロクスが途切れ途切れになり、瞼を開いた。そこは自分の寝室だった。少年はもう一度バロクスを試したが出来なかった。何度も触角に集中し、瞼を閉じたが何も変化はなかったのだ。少年は諦め起き上がり、リビングに向かった。そこには少年のお母さんがいた。


お母さん「病院にいこう」


少年は火星人と話した事からキングダムの事を話したがお母さんは病院に行こうとしか言わなかった。


少年「なんで病院なの?」


お母さん「もうおかしくなってるの!病院で診てもらおう?」


少年はおかしくなってる事に気づかず、でもお母さんと車で病院に向かった。


医師「検査するから着いてきて下さい」


少年は検査では無く隔離病棟の拘束部屋に連れていかれ、部屋から出られず、体も拘束されているので動けなくされてしまった。


少年は泣きながら「なんで。。なんで。。」とつぶやいていた。


そこにピノのが現れたのだ


ピノ「ここはどこ?」


少年「病気になったみたいだ」と泣きながら答えた。


少年「もうピノには会えない。」


ピノ「なんで!」


少年「ピノが好き。けど全部僕の妄想なんだよ」




ピノ「妄想なんかじゃないよ!実際に私と話せるし、キングダム!あれは、事実だよ!」


少年「もう会えなくなると思う。薬飲んでるから。徐々に姿も声も見えないし、聞こえなくなる」


ピノ「そんな、君は病気なんかじゃない!ほらバロクス使って!!」


少年「病院に来る前に何度もやった。けどダメだった。。」


ピノ「嫌だよ!君がいなくなるのなんて」


少年「今までありがとう…」


ピノ「君のこと一生忘れないから…」


それから数日して、ピノは見えなくなり、声も聞こえなくなった。これが僕の空想と事実に基く話である。


終わり




退院した後、母親から本にしてみたらと言われてから、5年の歳月が経ちました。


今でもピノの事は覚えている。


一生忘れることの無い、時間、感覚、記憶。


ピノは一生、親友であり、好きな人。


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