第4話  猫耳マオウの目的

「というわけで、3か月が過ぎました」


 わけのわからないことを言うんじゃないよ。じゃなくて、僕のセリフをとるんじゃないよ。


「なに、雅弥はどうしていつも辛気臭いのに、それが自殺しそうな顔をしているの?あと、ひげをちゃんと剃って。すごい気持ち悪い。女の子の前だから。あと、エアコンのスイッチ貸してよ。少し暑いから」


 僕の悪口に、女の子扱いしろ。エアコンのスイッチ貸せ。情報量多い。何なの? 3か月で慣れて、傍若無人にふるまうのって何なの? 図々しいったらありゃしない。

 と言えれば、どれだけ楽なのでしょうか。1LDKの僕の部屋のベットでニャーニャー騒ぐ猫さんは本当にねこさんでしたありがとうございました。

 茶トラの猫でかわいい外見なのに、言うことは居候の悲しい発言ばかり。今日も今日とて、11時前に帰ってきて微妙なのにさ。


「でもさ、料理は作ってあげているじゃん。ほら、今日は雅弥の大好きなハンバーグだよん」


 きれいになったダイニングにはハンバーグ(ラッピング)がありました。手作りで。

 家事はそこそこやってくれるんだよね。ただし、パソコンを見て変なエロサイトを見たり、小説を投稿しようとしたり(エロ小説サイトとかに投稿しないで)するし。


「なにさ、あたしだって、猫に化けて、外の巡回とかして、ゆっくりしてそのついでにやってんだから偉いと思いなさいよ」

「おかげで、通い妻がいると思われて、管理会社さんから怒られそうになって」

「権力。妖力でごまかした」


ということなんですよね。まあ、やれることはやっちゃったわけで。


「というかさ、何で僕なわけ? マオウなら、実家の父さん、母さんを守ってあげたり、結婚した姉夫婦とかさ。そっちに」

「いや、護衛だとか、魔王生誕を阻止するにはこっちだし」


 と部屋のベットに腰かけ、美乳の横乳をさらしながらのタンクトップにショートパンツの茶トラ2股尻尾をふりふりしながら、猫又さんはそんなことをのたまった」


「は? わけがわからないよ」

「それか、このかわいい女子大生みたいなルックスで、ハニトラかまして、篭絡させても魔王生誕はできないらしいとか。どう、私と一発する?」


 何を言っているのだろうか。あと、太ももがまぶしい。やめてくれ。

 猫耳を差し出すな。もふりたくなる。

 あーもふりたい。


「結局、目的ってなんさのさ」


「いやさ、雅弥の子供って、魔王にも勇者にもなんにでもなれる種を持ってるって聞いたから」

「は?」

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