2周目~6周目

 2周1日目。


「おい。女神」


「はい?」


「あの数はおかしすぎるだろう!」


「仕方ありません。世界を魔物から守ってくださいまし」


「お前も戦えよ」


「いえ、世界は人の手で守られなければなりません」


 ちっ。お前だって行商人で参戦してるじゃねぇか。


 女神は「頑張れ~」と言いながら、また空の向こうに飛び立っていく。



 『2周目となりました。前回大スタンピードで魔物を倒した数は12。スタポスタンピードポイント12を獲得しました。』



 ん? スタポ?


 あああああああ!


 ゴールドも種も全部消えてる!?


 ただジョウロだけは残っているので、アイテムが全部消えるわけではないのか。


 それにスタポというのを手に入れたらしい。




「…………おい女神」


「女神じゃないぽよ」


「いや、女神だろう」


 女神にそっくりなが家の前に座っている。


「私はスタネコ! スタポで色々やってあげるぽよ」


「…………まぁいいや。それで? スタポで何ができるんだ?」


「ではスタポの説明するぽよ」



 『スタポ一覧。


  種生成……1

  土地栄養剤……50

  ★クワ作成……50

  ★種蒔き機……500

  ★水路……500

  ★耕地こうち継続……1,000

  ★牧魔物犬ロボット……1,000  』



「以上が一覧ぽよ。★が付いてるのは一度しか購入できないぽよ」


 一度しか購入できないという事は、一度買えばずっと使えるって事だな。


 中でも下の4つは色々便利そうだ。


 ただ、一番直近で必要なのは間違いなくクワなはずだ。


 細かい説明はないが、耕地と作るのにクワを使うはずだから、耕地が増えれば種も多く植えられるはずだ。


 それにしても50か…………はぁ、仕方ねぇな。頑張るか。




 ◆




「6周目の世界でようこそ」


 はぁ……女神め。にやけ面がすごくムカつく。


「ではさようなら~!」


 周のはじめに挨拶だけして消える女神には毎度イラつく。


「おい女神猫!」


「私はスタネコぽよ」


「とりあえずスタポでクワをくれ」


「は~いぽよ」


 猫の前にクワにが現れる。


 どこにでもありそうな普通のクワだ。


「それとクワを使うと体力が減るぽよ」


 あ、そういえば経験値という概念があるんだっけ。


 意外とレベルが4に上がっていたけど、何に使うか分からず、気にも留めてなかった。


「では頑張るぽよ~!」


 女神猫はムカつくけど、新しく手に入れた道具を使って土を耕していく。


 一か所耕す度に経験値1を獲得できた。


 レベル4で一日耕せる量は4マスだ。


 レベル1ごとに1マスだな。


 マスが増えれば、その分種を植えられるから、毎朝の魔物が増えて来るはずだ。


 早速植えて次の日を迎えると、いつもの5体から9体に増えていた。


 増えた魔物を狩りに行かせて、また土地を耕す。


 3日目13体、4日目17体――――と、どんどん増えていった。


 そして最終日。


 目の前には29体の魔物が雄々しく姿を見せている。


「あら、今回は魔物が多いですわね」


「そうだな。だがよ。これでどうすれば1万体の魔物を倒せるんだ?」


「うふふ~それはスタポを貯めて頑張ってください~」


「はぁ。分かったよ。仕方ないな」


 6度目の大スタンピードが起きて、またもや全滅した。

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