種を植えて魔物を作り大スタンピードを生き残れ~一体何周すればクリアできるんだ?このクロゲは~
御峰。
1周目
「貴方様は世界『イレギュラー』に転生なさいました。ここから7日後に訪れる大スタンダードを生き抜いてください。生き抜く術はそこに書いているので買ってに読んでね!」
は?
女神と思われる女はそう言い残して天の上に飛んで行った。
ふざけやがって……そもそもただのサラリーマンの俺に何ができるというのか。
とりあえず目の前の地面に雑に捨てられた一冊の本を拾う。
どれどれ…………。
『その①。地面に種を入れて水をあげると次の日に魔物が生まれて味方になります』
魔物!?
『その②。魔物は餌をあげないと1日で死んでしまいます』
死ぬのかよ!
『その③。種は行商人が売ってます。多分』
多分をやめろ! 多分を!
『その④。最初は種3つあげるね』
もうちょっとくれよ!
『その⑤。7日後の大スタンピードで失敗したらまた繰り返しだからね☆』
なんのクソゲだよ……はぁ。
とりあえず文句を言っても仕方がないので、目の前の種を3つ植えて様子を見ることに。
と思ったけど水をやるのにジョウロもないのにどうやって水をやるんだ……?
…………そうか。手があるのか。
俺は1回に付き1か所の水をやる。
3回も往復した。
隣にある家で寝れそうだったから、その日は眠る事に。
次の日。
朝起きると外が騒がしいので出てみると初めてみる魔物が3体いた。
オークが1体、コボルトが1体、スライムが1体。
生まれる魔物は完全ランダムなのか。
『経験値が3上昇しました』
なるほど。魔物を1体産むと経験値1か。
とりあえず魔物に命令を出してみると、意外にもちゃんと言う事を聞いてくれる。
たしか1日で死ぬんだっけ?
「向こうの森で狩りを行ってこい」
魔物達は命令通り森の中に入っていった。
それから数時間が経ち、お日様が落ちて夕方となった頃に魔物達が戻って来た。
どうやら獲得アイテムは自動格納らしくて、魔物達が帰って来た時にアイテムを落とした。
「偉いぞ! お前達のおかげでアイテムを沢山ゲットできた! よしよし」
3体の魔物の頭を撫でてあげると、嬉しそうに飛び跳ねる魔物達。
『魔物の親密度が3上がりました』
親密度? なんじゃそりゃ。
そういえば、説明書として渡された本には、こういう細かい事は書かれてないよな…………あの女神め、ろくでもないな。
その時。
「初めまして~☆ 行商人のエルです☆」
「おい。女神」
「いや~ん。私は行商人。女神じゃないですぅ☆」
「…………まぁいいや。このアイテム買ってくれよ」
「かしこまりました☆ 3000ゴールドになります☆」
「早くない!?」
「私、できる女ですから☆」
「…………そういう事にしておくよ。売り物を見せてくれ」
「種が100ゴールド。ジョウロが1000ゴールドです☆」
「じゃあジョウロを一つ、種を20個くれ」
「かしこまりました☆ はい、どうぞ」
女神もとい行商人から種とジョウロを受け取る。
「ではっ☆」
帰りもめちゃくちゃはえーな。全く見えない。
明日の分のためにまた種を植えてみる。
その時、気づいたけど、種を植えられる土地が5マスしかない。
つまり5体分の魔物しか産めないんだな。
とりあえず5つの種を植えて、新しく買ったジョウロで水をやる。
一気に水をやれるから楽だな。どうやら水が無限に入るジョウロらしくて途中で詰めに戻る必要もなさそうだ。
次の日。
相変わらず魔物が5体。
また狩りを命令して森に送る。
その間に、5マスある土に種を入れて水をやる。
夕方頃になると魔物達5体が帰ってきて獲得アイテムを沢山落とした。
あの説明書なら失敗した場合、繰り返しになるらしいからゴールドは貯めておこう。
それをさらに3日繰り返す。
5日目。
また行商人から種を四日分買って検証に入る。
7日目。
遂にこの日が来た。
今日は大スタンピードが起こる日である。
「お久しぶりです」
「昨日も会っただろう」
「あら、私は女神。行商人ではありません」
いや……自分から行商人ではないと言ってるし。
「まあいいや。それで? これから大スタンピードが起きるんだろう?」
「ええ。まもなくおきます。ですが魔物5体では到底勝てないでしょう。これから何度も挑戦してくださいね!」
「…………はぁ」
やっぱりそう来たか。
何度も繰り返すクソゲらしい。
大地が揺れ始める。
これから大スタンピードが起き――――――
「ふざけんなああああああああああ! 魔物1万体なんて聞いてねぇよおおおおおおおおおおおお!」
初めての大スタンピードは絶望的だった。
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