Para noid...

中州修一

第1話

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2045年8月31日

最近、科学技術はまた進歩しました。


人工知能は人間が干渉しなくても独立して政治を行い、

自分たちで医学や化学を進歩させるようになりました。


人間は働かなくて良くなって、

みんなやりたいことを思う存分出来ています。


最近は新しく開発された仮想生成装置で

自分の望む夢を見るのがだそうです。


でも、

俺はそんなものよりも早く君に会いたいです。


俺ももうすぐそっちにいけるようになるから

どうか、待っててください。


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電子でのメッセージを嫌っていた妻のために、

わざわざ慣れないボールペンを握って紙に字を書く。


この手紙を相手に届けるのも大変だ。電子のメッセージならそのまま時間を遡るようにメッセージを送信すればよいのだが、物質ごと送るとなればこれを一度分子レベルに分解し、それを光速以上の速度で時間を遡らせる必要がある。


手間だ。だがそれでいい。


時間を旅する妻の元に自分で書いた文字が届いていると思うと、

それだけで俺と彼女は心で繋がれているような気がしていた。



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