第8話 命名センス
三代目のチロルは、私と一緒に部屋にいるときは、一人で、いや一匹で私から離れたところで寝ていたり、勝手に遊んでいたりしていた。
ところが私が部屋を出ると、ぐっすり眠っていると思っていたのに、いつの間にか後ろについてきている。で、そのまま部屋に戻るまでついてきて、部屋に戻ればまた眠る。
軽いツンデレといったところか。
ところで、猫に名前をつけるときは、動物病院で呼び出されることを考慮してつけた方がいい。
大抵の動物病院では、飼い主の名字プラス猫の名前で診察室に呼ばれる。先代のボケのときに、それで周りが「えっ?」となってしまった。きっと、なんて変な名前をつけるんだ、と思われたことだろう。
その点、「チロル」なら可愛いと思われるだろう、そんな打算が私にはあった。
ところが職場でこの話をしたところ、「チロル」という名前は変だと言われてしまった。
大丈夫か、私の命名センス?
黒猫ならクロ、トラ猫ならトラ、ハチワレならハチ、シャム猫ならシャムコ・・・この程度のセンスしかない私が、一生懸命ワンミニッツくらい考えてつけた名前だというのに。
ああそれなのに、チロルと呼ぶのが段々面倒になってきて、いつの間にか「チロ」になっているし。
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