高次元連結体〈ネクサス〉

亜未田久志

プロローグ 小さな太陽


 その子は自分の能力が分からなかった。

 初めは小さな反応過ぎて火花かと思った。

 だけどが研究により。

 とあるモノの衝突により起こるものだと知った時。

 六歳の少年は。

 薄く微笑んだ。

「なあ知ってるかこのろくでもない世界! 太陽ってのはコレが連鎖反応を起こしているんだってよ! だったら俺の力は――」

 少年の力は――

「――真の核原子衝突ネクサス


 小さな太陽が東京二十三区を焦土に変えた。


 十年後、新二十三区。

 高次元連結体ネクサス研究特化都市として再建した世界。

 その名を理想郷ユートピアと言った。

 十六になった少年は不敵に笑う。

 あの頃よりも艶やかに。

 表情を彩る色香に。

 炎の羽根が舞う。

「此処が理想郷? 俺が暴き出してやるよ」

 最強のネクサスが動き出す。

 世界の闇をこの世に照らすために。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る